Microsoftは米国時間3月9日、同社の「Software for Open Networking in the Cloud(SONiC)」をオープンソース化し、「Open Compute Project(OCP)」に提案したと発表した。OCPは2011年にFacebookの提唱によって生まれたプロジェクトだ。
この発表は、カリフォルニア州サンノゼで開催中の「OCP U.S. Summit 2016」において行われた。
Microsoftはこの件に関して、以下のように説明している。
SONiCは、スイッチなどのネットワーク機器を構築するうえで必要となるソフトウェアネットワークコンポーネントのコレクションだ。『Switch Abstraction Interface(SAI)』(SAIもMicrosoftが2015年に寄贈したものだ)とともに用いることで、クラウド事業者はハードウェアイノベーションのメリットを享受しつつ、ネットワークスイッチ上のアプリケーションに向けたオープンソースのコードを構築するためのフレームワークを手にできるようになる。われわれはこれが、さまざまなスイッチベンダーのハードウェアをまたがって同じソフトウェアスタックを共有できる、完全にオープンソース化されたスイッチプラットフォームを実現するうえで最後の鍵となるものだと確信している。
Microsoftによると、SONiCにはArista networksやBroadcom、Dell、Mellanox Technologiesといった企業も貢献しているという。
同社はSONiCをオープンソースライセンスの下、GitHub上で公開している。SONiCはDebian Linux上で稼働するが、FAQページによると、理論的にはどのLinuxディストリビューションでもサポートできるという。
Microsoftは2014年からOCPに参加しており、同組織のSAIプロジェクトの創設メンバーでコントリビューターでもある。OCPは、データセンターを比較的低コストで構築するために使用できるオープンなハードウェア設計を公開している。
MicrosoftはOCPに参加した際、自社のクラウドサーバ仕様(24台の1Uサーバを収納できる12Uの共有型サーバ筐体)をプロジェクトに寄贈するとともに、「Chassis Manager」をオープンソースライセンスであるApache Licenseの下で公開すると述べていた。
OCPはこれまでに、マザーボードとチップセット、ケーブル配線や共通のソケット、コネクタ、オープンネットワーキングとスイッチの規格を公開している。
Microsoftの「Azure Cloud Switch(ACS)」はSAIをベースに設計されている。SAIは、特定用途向け集積回路(ASIC)をプログラミングするためのC言語向けのAPIだ。つまりこれは、スイッチのようなネットワーク機器を動作させるためのソフトウェアだ。
OCPは2015年7月に、MicrosoftやMellanox、Dell、Broadcom、Cavium、Barefoot Networks、Metaswitchが策定に寄与したSAI規格を承認している。ACSは内部での使用に限られている。
OCPに関連するニュースとして、Googleが同日付けでOCPへの参加を発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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