この他にもソフトバンクでは、基地局を早期に復旧するための取り組みとして、社内公募で災害復旧要員を募って「救援隊」を結成。定期的に訓練を実施するなどして、災害復旧時の人材確保にも力を入れているという。
大規模災害対策準備室の田中幸男氏によると、社内公募による人材確保という仕組みを取り入れたのには、やはり東日本大震災の影響が大きいようだ。東日本大震災では広範囲にわたって被害が発生したことから、技術部門だけでは人手が足りず、組織を超えて人員を募る必要があったという。そこで同社では社内で人員を公募したが、自ら協力したいと志願する人も多くいたことから、救援隊を発足したと説明した。
この救援隊には現在、約240人が公募要員として参加しているそうで、プロフィールも固定通信のエンジニアやカスタマー担当者、プログラマーなど多岐にわたっている。主な活動は、可搬型基地局などによる臨時基地局の設置、そして携帯電話貸出や充電など、避難所での被災者支援になるそうで、訓練も半年に一度実施されているという。
田中氏によると、すでに東日本大震災のほか、同じく2011年に和歌山で起きた台風12号による被害、そして2015年9月に発生した関東東北豪雨で、出動経験があるとのこと。東日本大震災の際には、食事も満足にとることができないなど過酷な環境を経験した人も多いようだが、使命感や熱い想いによって参加している人も少なくないという。
大規模災害対策室 室長の黄木寛之氏は、「いち早く電波を届け、通信できるその先に利用者の安心があると考えている。通信を届けるだけでなく、安心を届けるために組織が動いている」と話し、今後も災害復旧のためさまざまな取り組みを進めていく姿勢を見せた。
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