ダンカン・ライト氏:プロジェクトが立ち上がってまだ間もないですが、グローバルで約100社以上のパートナーが参加を表明しています。具体的には、New York TimesやBBCを始めとするパートナーで、日本でも朝日新聞、産経新聞、日刊スポーツ、毎日新聞、イード、マイナビニュース、BLOGOSなど、多くのパートナーがAMPへの対応を準備しています。
ダンカン・ライト氏:静的なコンテンツを掲載しているページが向いているのではないかと思います。一方で、ページ内での入力やJavaScriptによる挙動が必要となる通販サイトなどにはあまり向きません。レシピサイトやブログ、情報サイトなどが向いているのではないでしょうか。
佐藤氏:私たちとしては、まず大手新聞社やニュースサイトなどにパートナーとして参加していただくことをトッププライオリティとして活動していますので、モバイル版GoogleニュースについてはユーザーがAMP対応ページへとアクセスできるよう、なるべく早く対応したいと考えています。
ダンカン・ライト氏:今回公開した日本語版導入ガイドについては引き続き見直しをしており、随時更新していく予定です。加えて、これまでAMPはGoogleが最低限の仕様の策定や準備をしてきましたが、この一方でTwitterやWordPress向けのAMPの仕様なども提案しています。また、エンジニアコミュニティ「Git Hub」では、AMPの仕様カスタマイズについても随時受け付けており、プロジェクトが定める基準を満たしていれば、カスタマイズされた仕様にも承認を出していく予定です。グローバルでパブリッシャーや広告会社などが参加することで、オープンソースプロジェクトとしてのエコシステムを形成できればと考えています。
佐藤氏:今のモバイルウェブが重い要因のひとつである、アナリティクスのツールや広告配信のコードについても、広告会社やツールのベンダー側でAMPに対応してもらったり、Google自身もAMPに対応させたりすることで、マネタイズ、分析、ユーザー体験のバランスの中でAMPが選ばれるようになるのではないかと考えています。
佐藤氏:Googleの立場から申し上げると、ウェブの多様な情報がさらに使いやすい形で、不満なくアクセスできる環境を維持するということは、検索エンジンであるGoogleにとってまさに生命線だと考えています。これが、Googleがこのプロジェクトを推進する最も大きな動機です。
このままモバイルウェブがどんどん重くなり、モバイルブラウザを使って情報の検索をすることを止めてしまったり、検索結果のリンクをタップすることを躊躇してしまったりするような状況が生まれてしまったら、インターネットそのものの意義が問われることになりかねません。それを抜本的に変革させ、いかにモバイルでインターネットをストレスなく使える環境を生み出すかということはGoogleにとって大きなテーマであり、この課題を解決するためにはオープンソースプロジェクトによる新たな枠組み作りが最良の手段であると考えているのです。
佐藤氏:日本の通信環境ですら重いと感じるウェブサイトは、東南アジアなどの新興国に行くとほぼ開くことができません。グローバルで考えると、現在モバイル環境でコンテンツを閲覧するユーザーは新興国で増加している傾向があるため、そうした環境下でコンテンツ閲覧の快適性を提供することは非常に大きな意味があると思います。それは、ビジネスのグローバル化が著しい日本企業にとっても大きな課題ではないでしょうか。
佐藤氏:何かが起きたときにバックボーンで切り替えれば良いという発想もありますが、それでもいざというときに素早く対応することは難しい面もあるのではないかと思うのです。普段から素早く表示できるページを用意しておくという発想を持つことが理に適っているのではないかと思います。
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