ブイキューブのドローンビジネスが今春さらに本格化

 ブイキューブは、2016年春からドローンソリューションのビジネス展開をさらに強化する。同社がドローンビジネスを手がけ始めたのは、2015年1月26日にドローンの商用利用に関する技術を開発するRapyuta Robotics(ラピュータ)に出資し、これまで培ってきたビジュアルコミュニケーションサービスとRapyutaの技術やノウハウを組み合わせ、共同でサービスを開発していくことになってからだ。

 その後、2015年2月からはパイオニアVCと連携し、設備保守や社会インフラ点検、災害対策分野におけるドローン活用の実用化と普及を目指し、「鉄鋼所やプラントの設備保守点検における活用」や、「橋梁やトンネルなど社会インフラ点検における活用」、「市区町村の緊急災害対策における活用」などの実証実験を募集した。実際に造船大手の常石造船は、広島でドローンとビデオ会議システムを組み合わせ、効率的で安全に造船現場を管理する実証実験をし、神奈川県では「水難救助マルチコプター」の実証実験、和歌山県ではリアルタイムな映像による災害対策やインフラ点検に関する実証実験など、さまざまな実証実験を進めてきた。

 そして、これら実証実験を通じた顧客ニーズの把握や課題の洗い出し、サービス設計などを進める中、ドローン関連の製品やサービス開発に関する意思決定を迅速化するために、2015年10月1日には子会社として「ブイキューブロボティクス・ジャパン」を設立した。

  • ブイキューブが考えるドローンの活用方法

  • ドローンの活用シーン

 そもそも、ドローンの商用化には大きく3つの課題があった。1つは、「ドローンを飛ばして映像を撮影している場所に行けばリアルタイムの映像を見られるが、遠隔地など離れたところから見られない」こと。2つめは「映像を録画してあとで見ることもできるが、リアルタイムでは見られない」こと。3つめは「人が操作するとどうしても事故につながる可能性がある」ことだ。これらの課題を解決してビジネスにするため、「ドローンによる映像の撮影技術」と「ブイキューブが持つ離れた人同士を映像と音声を使いコミュニケーションする技術」を組み合わせ、障害物を回避したドローンの自動飛行で、高所や災害地など人が立ち入りにくい場所などの映像をリアルタイムに遠隔地にいる人と共有することを目指してきた。

 ブイキューブ代表取締役社長の間下直晃氏は、「インターネットを介して、遠隔で映像をやりとりしたり、制御したりするところは、まさに我々の強みです。たとえば、災害が起きた際に現場の様子を見たいのは1つの拠点だけではありません。災害対策室や国土交通省など、多くの関係者が見なければいけないけれど、皆が同じ場所に集まることはできない。そういう時に、我々のウェブ会議の仕組みが使えるわけです」と強みを語る。そして、「パートナーについては約40の企業や自治体と話を進めていて、すでに見積もりを始めている市区町村や工場もあります」とし、これまで実証実験などで培ってきたノウハウなどを、「ドローンソリューション」というかたちで提供できる準備が整ったようだ。

 目的別のドローン本体を用意し、メンテナンスや保険、自動飛行プログラムなどで構成されるドローンソリューションの詳細は、2月18日に開催するイベント「CNET Japan Live:Target 2020~テクノロジーがもたらすパラダイムシフト~」において明らかにされる。「ドローンを活用した新たなコミュニケーション」と題し、ブイキューブロボティクス・ジャパンの取締役である船津宏樹氏が講演するほか、展示会場でもドローンを活用したソリューションが事例を交えて紹介される。

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