モブキャストは1月28日、eスポーツのプロチーム「Team mobcast」を発足したことを発表した。3人の選手とプロ契約を締結し、Blizzard Entertainmentのデジタル戦略カードゲーム「Hearthstone」(ハースストーン)の大会に参戦するほか、同社のゲーム開発にも協力する。
eスポーツはデジタルゲームをスポーツとしてとらえたものの総称。競技の一種と見なし、世界各地で大会などが開催されている。またハースストーンはPCやスマートフォンで遊べる戦略性の高いターン制デジタルカードゲームとして、2014年から海外で配信。世界で4000万人がプレイしているとされ、2015年10月には日本語版の提供も開始している。
同社が支援する内容として、まずゲーミングハウスを都内に設立し、3人は3月から合宿生活に入るという。またプロ契約としての定額報酬や、全世界で行われる大会へのフルサポートも実施。また直接的な支援とは別の取り組みとして、同社が主催するハースストーン大会も開催する。3人が出場することもさることながら、この大会を通じてさらに優秀な選手を発掘する狙いがあるという。
チームはkoroneko選手をチームリーダーとして、tansoku選手とheiderun選手を加えた3人。koroneko選手は18歳で現役高校生ながらも、累計大会優勝17回、準優勝11回を誇り、日本におけるハースストーンプロゲーマーの先駆者としても知られている。そして彼がほかの2名を選んでチームを結成したという。
都内で開催された発表会において、モブキャスト取締役 CVO 経営戦略室長である福元健之氏は、同社が展開するゲームのプラットフォームサービスやネイティブゲームでは、競い合って勝利することへの欲求に応えられるゲームやコミュニティを提供する「Social Victory Space」(SVS)というコンセプトを持っているという。そしてこのコンセプトはeスポーツも共通しているところがあると語る。
eスポーツは海外では大きな市場となっており、日本ではまだなじみがないものの、近年は少しずつ言葉も使われ出し盛り上がりを見せている。eスポーツ大会のプロデュースや関連事業のアドバイザーなどを担当し、Team mobcastのサポートもするというグルーブシンク代表取締役の松井悠氏は、世界のeスポーツの動向を説明。2015年のeスポーツ市場規模は約884億円とされ、現在の上昇率のまま推移すると2018年には2287億円にまで拡大するという見方を示した。このほか海外でのメジャースポーツと肩を並べるファン人口を持っていることや、ライブストリームビデオゲームサイトのTwitchをAmazonが買収したような、eスポーツ関連事業の大規模な買収が相次いでいることから、世界的に注目度が高まっていると語った。
福元氏はeスポーツチームを展開することのメリットとして、国内外におけるゲーム市場の活性化はもとより、チームが活躍することによる海外でのブランディング効果、ゲーム開発におけるeスポーツのノウハウや知見を生かすといったことを挙げた。今後の活動のなかで、ハースストーン世界選手権の出場を目指し各大会に参戦していく形となるが、目標として福元氏は「やるからには世界一を取る」と語り、選手たちも強い意気込みをみせていた。
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