Cerevoは1月22日、1月初旬に米国ネバダ州・ラスベガスで開催された消費者向け家電の見本市「CES 2016」で発表した、音声から感情を認識して伝える小型IoT端末「Listnr」を同社通販サイトで発売した。価格は税別1万6900円。今後、取り扱い店舗を増やす予定だ。
無線LAN経由のインターネット接続機能とマイクを搭載し、本体付近の音声を集音してリアルタイムでクラウド上にアップロード、専用サーバで音を解析する。Listnrを部屋に置き、専用スマートフォンアプリを用いることで、1台のListnrが集めた音にもとづく情報を、複数の聴き手がラジオのように楽しめる。外装は、インテリアとして利用することを想定したデザインだ。
乳幼児を持つ家庭向けに、デフォルトの音声認識システムとしてパナソニックからの提供技術をもとに開発した「xauris」を搭載。乳児の泣き声から「泣く」「笑う」「叫ぶ」「喃語(なんご。乳児が発する意味のない声)」といった4種類の感情を認識する。対象年齢は、およそ0~2歳。
認識結果は、Listnr本体のLEDとスマートフォンアプリにフィードバック。本体では、搭載したLEDイルミネーションで音に込められた感情を「色」で表現する。また、Listnr本体とスマートフォンアプリを組み合わせて使うことで、仕事に出ている家族が子どもの発声状況や感情などを文字やアイコンで知ることができる。
Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏は、同機能について「赤ちゃんの声が聞こえるわけでもなく、赤ちゃんの写真が見られるわけでもないが、家族のつながりを感じられる」ものだと説明。乳幼児のいる家庭へのプレゼントに最適だとアピールした。
岩佐氏はパナソニック出身だが、今回の連携は、それに関わるものではないそうだ。「大手メーカーが新たなジャンルの製品を生み出す機会が減っており、一方で革新的なハードウェア製品を作ろうとするスタートアップが増えている。そのため、スタートアップの業務のスピード感と、大企業の資金力とを組み合わせたプロジェクトが今後増えていくと思っている」と説明し、今回の連携はその一例だと説明した。
Listnrの開発者向けAPIも公開する。音解析エンジンと音認識サーバをそれぞれ独自に設定できる。開発者は自らのアプリやサービスと組み合わせる「クラウド接続型無線LANマイク」としてシステムに組み込めるため、音を活用したサービスや、独自のスマートフォンアプリと組み合わせたサービスを開発できる。
本体サイズは、約123.5×96.5×76.5mm。重量は約190g。電源はUSB給電または単3乾電池2本。製品にはmicroUSBケーブルが付属する。無線LANは、IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz帯のみ)に対応。OSは当初、Android 4.4以降に対応し、iOS版は追って提供する予定。
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