ケン・マスイ氏:グローバルなコミュニケーションを自然に、円滑にするために日本人が一番求めているのは即時翻訳のテクノロジではないでしょうか。欧州ではテクノロジの進歩が進んでいますが、日本語でも実現すると思いますか。
スティーブ・ウォズニアック氏:YesかNoかであれば、Yesでしょう。しかし、一番優秀なコンピュータは人間の頭脳であり、人間がやれることに限りなく近づけるよう、コンピュータが頑張っています。そして、いつの日かコンピュータが人間の能力を超える日がやってくるかもしれません。
英語のようなラテン語を起源としている言語と日本語は違いが多すぎると、自分自身が勉強していて実感しました。ただし、英語のすべてのセンテンスは日本語に変換することができます。それをテクノロジによってリアルタイムにできるかどうかが一番の課題です。
たとえばAI(人工知能)は人間の言語処理能力に限りなく近づいていて、いま実在するマシンでも反応できます。スマートフォンでも、スピード感はないですが、自分の話したことを多言語に翻訳して相手に伝えるテクノロジが実現しています。日本語だけでなく、中国語や韓国語、アジア各国の言葉へと、どんどん発展していくでしょう。
ケン・マスイ氏:これからはIoTやロボティクス、そしてAI(人工知能)の時代だと言われています。テクノロジと人の関わりは将来どうなっていくと考えますか。
スティーブ・ウォズニアック氏:それは多くの人が感じている疑問ではないかと思います。自分の予定や友達の誕生日を覚えていなくてもデバイスが代わりに記憶し、何でも教えてくれるようになりました。ただ、こうしたテクノロジ(人のインプットを整理してアウトプットを最適化する“AI”)はArtificial Intelligenceとは言えません。
本当のAIとは、機械が(人間に頼らず)自分のことを自分自身で考えることであり、機械が自分で勝手に考える本当のAIは、実は人間社会にとって意味をなさないものかもしれません。AIと人間の共存が実現するためには、いかにAIがもたらすインテリジェンスと人間が同期していくかを考えなくてはならないでしょう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力