Gooute、日本デザインのスマホをグローバル展開へ--日本ブランドの信頼や安心感を付加価値に

 シンガポールに拠点を置くGooute(グート)は18日、日本の著名クリエイターを起用したスマートフォン、およびUIデザイン、ホームアプリ&コンテンツを、海外のデバイスメーカーを通じてグローバル展開するプロジェクト「ARATAS(アラタス)」を発表。メディア向けの説明会を開催した。

 GoouteはCEOの横地俊哉氏をはじめ、ニフティ出身のメンバーが中心となって起ち上げたスタートアップだ。2015年秋には法人、個人を問わず、日本のクリエーターが自作のコンテンツを海外に向けて有料配信できるプラットフォーム事業「GOOUME(グーミィ)」を発表している。

 登壇した横地氏は、冒頭、世界のデバイスメーカーの現状について説明。「Androidデバイスはスマートフォン市場で80%のシェアを持つまでに成長しているが、多くの新興デバイスメーカーの参入によってダンピング競争となっていて、利益を出せてないのが現状。彼らのデバイスにプラスアルファとなるプロダクトを提供することで、収益を最大化する支援をしていきたい」とプロジェクトの狙いを語った。

新事業について説明するGoouteの横地俊哉CEO
新事業について説明するGoouteの横地俊哉CEO

コモディティ化するスマホに日本ブランドの付加価値を提供

 ARATASプロジェクトでは、大きく3つのプロダクトを「ARATAS」のブランド名で、海外のデバイスメーカー、ODMメーカー向けに提供する。メーカーの持つ販路を通じて、グローバル展開していく。「ARATAS DEVICE」と名付けられた1つ目のプロダクトは、日本のクリエイターを起用した、デバイスそのもののデザインだ。

 第1弾では元amadanaのデザイナー鄭 秀和氏が代表を務める、インテンショナリーズがデザインを手がけたスマートフォン2機種、「KAZE01(K01)」、「KAZE02(K02)」を、中国・深センに拠点を置くデバイスメーカーKingtech Mobileに提供する。

 KAZE01、KAZE02はいずれも5インチのHDディスプレイに、メディアテック製のクアッドコアCPUを搭載。メモリはRAMが1Gバイト、ROMが8Gバイトで、OSにはAndroid 5.1を採用。LTEにも対応するミドルレンジのスマートフォンだ。想定価格はKAZE01が160ドル、KAZE02は140ドル。さらにその先には、想定価格80ドルというローエンドな4インチデバイス「MAMI01(N01)」も計画中だという。


2トーンのデザインを採用し、3色展開のKAZE01はRAMやROMが変更可能だ
4色展開で丸みを帯びたデザインのKAZE02。4インチのNAMI01も同様のデザインを採用
4色展開で丸みを帯びたデザインのKAZE02。4インチのNAMI01も同様のデザインを採用

 デバイスの背面には「ARATAS」のブランド名とともに、「Designed in Japan」の文字も刻まれていて、「日本のデザインであることが信頼や安心感につながり、コモディティ化の進むデバイスを差別化できる」と横地氏。Goouteが製品のクオリティ管理も含む、デザインとマーケティング、販路の拡大などを支援し、製造・販売はKingtech Mobile社が担当。同社の販路を通じてインド、インドネシア、フィリピンといったアジア新興国を中心に、世界14カ国で発売予定で、年内に30万台以上の販売を見込んでいるという。

 この14カ国には日本も含まれているが、横地氏によれば「日本のSIMフリースマートフォン市場は規模が小さく、技適の取得などハードルも高いため、グローバルである程度の実績を作ってからの展開になる。早くても夏以降になるだろう」とのこと。場合によっては、KAZE01、KAZE02ではなく、次世代のスマートフォンでの投入になる可能性もあるという。

日本デザインのデバイスは新興国を中心に北米や日本も含む、世界14カ国で展開予定
日本デザインのデバイスは新興国を中心に北米や日本も含む、世界14カ国で展開予定

 なお、KAZE01、KAZE02には、起動画面やホーム画面、アイコン、操作音といったUIデザインをパッケージ化した2つ目のプロダクト「ARATAS UI」も採用されている。こちらのデザインは起動画面を映像クリエイターの松井雅也氏、ホーム画面をデジタルハリウッド出身の河田彩氏、操作音を音楽家の谷口尚久氏が担当。KAZE01、KAZE02だけでなく、UIデザイン単体でも年内にSDK化して、デバイスメーカーに提供していく計画だ。

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