地方創生の必要性が叫ばれ、地産地消や各産業を融合させて新業態を創出する「六次産業化」の取り組みが盛んだ。実は海外でも似たような動きが見られる。筆者が暮らすタイではそれが特に顕著。急激な経済成長の負の側面である都市部と地方の格差解消のため、各地方に一種類以上、市場の特産品を持たせる施策などが講じられている。
そうして発信力を高めているタイの地方の魅力、特に食文化と、日本のそれとをつなぎあわせるべく活動しているプロジェクトが「Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN」だ。この活動は、クラウドファンディングなどで調達した資金によって支えられている。
主な活動は、日本でのフードイベントの開催。日本各地の食材を使ったタイ料理のメニューをシェフが開発し、参加者にふるまう。これまで16の道府県で開催しており、引き続き47都道府県での開催を目指している。イベントの内容には、各産地が抱える食の問題を解決するための施策の立案、実行も含まれている。日本の食材をタイ料理と融合させることで、日本の地方を活性化を図ろうとする試みだ。
たとえば、主宰する西田誠治さんの地元である熊本県では、県の基幹産業である「い草」の新たな産業活用の方策を検討。その結果、食用いぐさのタイへの販路開拓のため、生産者グループとともに『ゆいのくさ』推進協議会を設立することにつながった。青森のイベントも盛況で、雹害(ひょうがい)を受けたりんご生産者を支援する「雹kissりんごプロジェクト」の設立につながり、5カ月間で16.5トンもの雹害りんごの完売につながった。これがきっかけとなり、無印良品との共同プロジェクトも実施された。
こうした実績が認められ、タイでも次の活動が始動している。2016年2月にバンコクで開催予定の日本の魅力を地元の人びとに発信するイベント「JAPAN EXPO in Thailand 2016」で、タイ各地の食材を使った飾り巻き寿司づくりを紹介する「まるごとおいしいタイランド! Roll 77 Thailand with SUSHI Project」だ。
西田さんらは各食材の産地取材を実施している。筆者もこれに関わっており、弊社が提供する日本人大学生向けのグローバル人材育成プログラムとも連携を図っている。大学生がビジネスのいろはを学ぶいい機会だと捉えているからだ。
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