町田氏:展開するにつれて女性のファンの方が増えていっている印象はあります。全体で見ると男女比は半々という見方をしていますが、イベントや販売する商品によってお客さんの層が全然といっていいぐらいに違いますね。バンドに付いているファンの違いと言っていいと思います。
おおむね男女ともにファンが付いているのはプラズマジカやシンガンクリムゾンズ、あと「徒然なる操り霧幻庵」かなと。カッコイイ男性キャラのバンド「トライクロニカ」であれば女性ファンが圧倒的ですし、女性アイドル風のバンド「クリティクリスタ」だと男性ファンが多いですね。最初は男性向けに特化することを想定していましたが、結果として女性の方にも受け入れられるコンテンツになってよかったですし、両方の層があるということは、多角的に展開していきやすいと感じています。
昨今のアニメ系キャラクターコンテンツだとどちらかに偏ったファン層を狙っていくのがセオリーともされていて、両方は絶対無理というぐらいに言われたこともありますけど、そういう状況で両方の層が獲得できたのは珍しいことともよく言われます。その分、イベントをはじめとして幅広く施策を打っていく量の多さで大変なところもありますけど、やっている側としても飽きることがないのは楽しいことです。
菊地氏:これまでもさまざまなゲームを運営してきましたが、SHOW BY ROCK!!のファンの皆さんは非常に温かいですね。
町田氏:あるイベントで開場が遅れてしまい、少しお待たせしてしまったところがあったのですけど「スタッフのみなさんもお忙しいと思いますが……」のような前置きをして聞いてくださるような方ばかりで。こちらの不手際でご迷惑をおかけしているのに……。本当にありがたすぎて、泣きそうになりました。
菊地氏:100万ダウンロードを達成したときに、海外の方からコスプレの写真をお祝いとして、ギークスのFacebookあてにメッセージとして送られたりもしました。
町田氏:海外展開はしていないですけど、北米に熱心なファンの方がいらっしゃるようです。作中のキャラクターあてにファンレターも届くようになりました。実際に活動もしていますので、サンリオキャラクターのなかでもファンレターをいただく数は多いです。ちゃんとキャラクター本人に渡していますよ。
町田氏:結果については予想以上でした。10位以内に1バンドも入らないのは、さすがにファンの方にもさみしい思いをさせてしまうと感じていたので、ゲーム中でも告知をしてもらっていたのですけど、僕らが思っているよりもSHOW BY ROCK!!の取り組みに対して、みなさんが面白がって楽しんでくれたんだと感じています。お客さんのコンテンツ愛や温かさを感じる結果になったので、SHOW BY ROCK!!チームのさらなる意欲につながっています。
サンリオとして新しい切り口で道を開いたという見方もされていますし、どんな形であれ注目してもらえるチャンスをもらえたのは大きかったです。結果として波乱を起こすことになって、それによってさまざまなメディアに取り上げられて注目度も高くなりました。個人的にはシンガンクリムゾンズが35票差で2位という結果も、ちょっとズレた(?)ことも真剣にカッコイイと思って活動している彼ららしくてかわいいと思うし、ファンのみなさんにもそう感じてくれたらと思っています。
菊地氏:先日話をしていたのですけど、SHOW BY ROCK!!のプロジェクトとしては、まだまだ序章にすぎないと思っています。本当に10年、20年と続くコンテンツにしていくつもりですし、していかないといけないと感じています。
それをサンリオさんだけではなく関連各社とともに連携して取り組んでいきたいと思っています。ゲームについては、毎年毎年飽きさせないようなアップデートは続けていきますし、林田さんにお願いしてバンドももっと追加していきたいと考えています。
菊地氏:現状はそれ以上のことをお話できませんけど、リアル体験を大事にしていきたいというのはあります。うまくリアルとアプリを連動させて相互に回遊させていく、リアルでグッズ展開をするサンリオさんの強みを生かす形ができたらと。
町田氏:今でも連動施策はやっています。アプリには媒体として商品、イベントの宣伝をしてもらって、逆に商品を買いに来ていただいたときにアプリの宣伝を行っています。例えばロード画面でも頻繁に商品告知を行っていますが、数値的なものはわかりませんが、お客さんがその画面でグッズ情報を知るという方も少なくないと聞いています。
町田氏:スマホゲームを起点としていますが、原作の立場としてアニメやスマホゲームというくくり分けをしないでほしい、全てがSHOW BY ROCK!!の世界として見てほしいということは、関わっているみなさんにお伝えしています。みなさんで同じ方向を向いて相互で盛り上げていこうという雰囲気になると、より相乗効果もでてきます。なにより大きな展開が決まると、お互いに喜びあえるのはうれしいことですから。
菊地氏:わりと垣根なく、SHOW BY ROCK!!プロジェクトの一員みたいな感じで各社さんとお話できるのはすごくうれしいですし、このプロジェクトとしての特徴ですね。
林田氏:10年続けていくコンテンツとして取り組むのは、もちろんその通りだと。アーティストは人間なので、本当に10年経過したときにどうするのかという部分はありますが(笑)、そのときアーティストがどうなっているのかも興味があります。なによりキャラクターは生き続けるものですし、音楽も残り続けるものです。ひとりでも多くの方にアーティストやいい楽曲を知ってもらうために伝え続けられたらと思います。
町田氏:直近ではノベライズを発売したり、LINEマンガでの連載もしています。12月28日からはTOWER RECORDS CAFE表参道店さんとのコラボカフェも設置しますし、2016年2月には初のミュージカル公演も行います。これらはそれぞれ別々のバンドがテーマとなっています。バンド単位で話をもらえるようになっているのは制作側としてうれしいことですし、バンドそれぞれにフィーチャーした展開は今後も取り組んでいきたいです。またニコニコ生放送でアーティストや声優を招いて配信している「SHOW BY ROCK!!@ニコニャマ」も、12月26日配信分はTOWER RECORDS CAFE表参道店さんから放送します。またその後も継続的に続けていきます。
とにかく、やってないと思われる取り組みは全部やっていきたいです。サンリオが新機軸路線で成功したような見方や取り上げられ方もされていますが、まだまだという気持ちが強くて、軌道に乗っている感覚も持てていません。スタッフ一丸となって、やれることが残されている以上はすべてやりきって、とにかくお客さんに楽しんでもらえるコンテンツ、長く愛されるコンテンツにしていきたいです。
(C)'12,'15 SANRIO APPR.NO.S565097 SP
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