場所や時間、人の能力などの遊休資産を、インターネットのプラットフォームを介して、個人間で貸し借りしたり、交換したりできる“シェアリングエコノミー”の普及と発展を目的とした、「一般社団法人シェアリングエコノミー協会」が、1月4日を目処に設立されることが発表された。12月14日より参画企業を募り、年明けまでに100~200社を集める。
12月14日に衆議院議員会館で実施された記者発表会では、地域体験シェアのガイアックス、スペースシェアのスペースマーケットが代表理事を務め、子育てシェアのAsMama、ご近所サポートシェアのエニタイムズ、知識スキルシェアのココナラ、スキルシェアのクラウドワークスが理事として参画することが発表された。
シェアリングエコノミー協会では、ガイドラインの作成などを視野にいれつつ、(1)それぞれの事業者間で交流し、ユーザーの活用事例や運営ノウハウを共有、(2)事業者間やユーザー、専門家などを招いて業界勉強会などを開催、(3)既存事業者やユーザーへのシェアリングエコノミー普及活動、の3つを推進していく。そして将来的には、地方創生や訪日インバウンドなどにもつなげていきたいとしている。
同協会では、たとえばフリマサービスの「メルカリ」や、クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」、クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」なども、シェアリングエコノミー領域であると説明している。そうするとかなり幅広いサービスが該当するが、場所や時間、人などの遊休資産を活用していればシェアリングエコノミーと認め、基本的には「来る者は拒まない」スタンスだという。
また、シェアリングエコノミーの代表格である、空き部屋シェアサービス「Airbnb」と、タクシー配車サービス「Uber」が参画していない。この点については、11月29日に開催されたシェアリングエコノミーのイベント「Share! Share! Share」に参加していた企業が中心になり発足しているため、これから各社に声をかけていく予定だと説明した。
同日の発表会では、シェアリングエコノミーを推進する自民党IT戦略特命委員会事務局長の福田峰之氏が登壇。「プラットフォームという新たな事業者がバラバラだとヒアリングしずらい。こうした団体ができることで、いろいろな意見を聞かせていただけるようになる」と話し、政府としても新事業の受け皿を用意していきたい考えを示した。
また、シェアリングエコノミーサービスで懸念されている、個人間の貸し借りなどで発生するトラブルや犯罪については、「規制や法律は理由があって出来ており、そこで最も大事なのは消費者保護。協会では苦情が出た時にもしっかり受け止めることなどを設立趣旨に盛り込んでもらっている。そのあたりを自主的にやってもらえると大変ありがたい」と期待を寄せた。
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