VAIOは12月9日、SIMフリー LTE搭載のモバイルPC「VAIO S11」を発表した。同日より販売を開始している。市場想定価格は、カスタマイズができるVAIO OWNER MADEモデルは11万4800円から、個人向け標準仕様モデルは14万9800円から。
VAIO S11のターゲットユーザーは、「本気でモバイルする人」だ。放熱技術やキーボード、タッチパッドの使い勝手、堅牢性などVAIOのフラッグシップモデルVAIO Zシリーズの技術を継承している。
新たにSIMフリーLTEを搭載するなどし、VAIOが目指すビジネスモバイルの快適さをコンパクトボディに凝縮した。Wi-Fiに接続できない環境では自動的にLTEに切り替え、つねにインターネットにアクセスできる。
デザインとしては「VAIO Pro 11」の後継モデルとなり、VAIO Pro11は販売終了となる。サイズは、高さ16.4~19.1mm×幅284.0mm×奥行190.4mm。
液晶サイズは11.6型、本体重量は約920g~940g(構成による)。第6世代のインテルCoreプロセッサ Uプロセッサラインを搭載し、バッテリ連続駆動時間は最大約15時間を実現した。「LTEを使って8時間PCを使いたかったので、逆算してバッテリ容量を設定した」(VAIO)いう自信作だ。
通常モデルに加え、インターネットに常時接続ができるLTE搭載モデルを選択可能。対応バンドは、LTEが1/3/19/21、3Gは1/19。下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsだ。LTEはドコモ、ソフトバンク、KDDIに対応する。
SIMフリーだが、VAIO自身がMVNOとなり、「VAIO オリジナル LTEデータ通信 SIM」を同日から販売する。NTTコミュニケーションズ(NTT Com)との共同企画によるもの。直営オンラインサイト「VAIO STORE」にて販売を開始する。
VAIOオリジナル LTEデータ通信SIMは、利用期間内(1年~3年)における200kbpsでの常時接続利用(基本通信モード)に加え、「32Gバイト/1年」(単品購入:1万3800円/本体同時購入:1万1800円)「64Gバイト/2年」(単品:2万2800円/同時:2万800円)、「128Gバイト/3年」(同:3万2800円/同:2万9800円)の3つの利用容量(高速通信モード)がラインアップされている。単品でも販売するため、スマートフォンなどでも利用可能だ。
使い放題となる基本通信モードの上限200kbpsはどの程度の速度か気になるが、メールやウェブサイトのチェックはできる程度という。高速通信は、大量にデータのやりとりをしたいときに便利なモードで、必要に応じて切り替えられる。
また、今回の発表に合わせてVAIO STOREをオープンした。VAIO 代表取締役および執行役員社長の大田義実氏は8月に開催した戦略説明会で、「自立のために自分で販売までやらなければならない」としていたが、具現化した形だ。
顧客とのコンタクトポイントとして活用するもので、声を直接聞くことで業務改善や商品企画に反映したいとしている。
今回のように、VAIO オリジナル LTEデータ通信 SIMとVAIO S11のセット販売や、SIM単品、限定製品など、これまではやりにくかったことを自社のショップを持つことで実現したい考えだ。
なお、従来どおりVAIOの製品は、引き続き量販店やソニーマーケティングのウェブサイトで販売する。VAIO STOREで扱う製品は、VAIO PC本体にプラスアルファの価値を付けるものを中心とすることで、すみ分ける。
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