キングジムは12月8日、モバイルPC「ポータブック XMC10(ポータブック)」を発表した。ポータブックはキーボードが左右に分かれ、弧を描きながらスライドする独自の「スライドアーク キーボード」が特徴だ。
スライドアーク キーボードにより、本体サイズはタブレットに近い8インチ液晶のコンパクトさながら、12インチのノートPC相当の使いやすいキーボードサイズを実現した。
電子文具を多く発売するキングジムだが、PC市場への参入は今回が初めて。商品化にあたって代表取締役社長の宮本彰氏は、「ファイルメーカーの当社が初めて電子機器に取り組んだ、1988年発売のラベルライター『テプラ』以来のチャレンジだ」と語った。キングジムがこれまで商品化したものと比べて開発コストや技術的な難易度が高く、商品化の決断にもかなりの勇気が必要だった。開発には実に2年を要したという。
開発に至る経緯について、「PC市場が成熟化し、各社の商品の特徴が少なくなったこのタイミングなら、ターゲットや使用シーンを絞って商品を作り込むアプローチを行うことで、後発でも市場参入の可能性があると考えた」と取締役兼開発本部長の亀田登信氏。
ターゲットや使用シーンを絞って商品を作り込むのは、2008年発売のヒット商品、デジタルメモ「ポメラ」以降から同社が行っている開発手法だ。「ポータブックのターゲットユーザーは、出張や外出先での仕事が多いビジネスマンを想定し、使用シーンはプレゼンや資料作成に絞って検討した」と説明した。
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