カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループは12月4日、ベンチャー企業向け支援プログラム「T-VENTURE PROGRAM」(TVP)の最終審査会を実施した。最優秀賞、優秀賞、TSUTAYA賞に選ばれた4社と事業連携を開始する。
TVPは、CCCグループがベンチャー企業を支援するビジネスプログラム。2015年1月に第一期の最終審査会を実施し、今回が第二期となる。ベンチャー企業の事業に「T-SITE」やCCCグループの資産を開放し、一定以上の相乗効果を得ることが狙い。10月までエントリーを受付、その後、1次審査、二次審査、インキュベーションを経た、10社が最終審査会でプレゼンテーションを行った。
最終審査会の冒頭、CCC代表取締役副社長兼COOの武田宣氏は「CCCは企画会社として、T-SITE、蔦屋書店、蔦屋家電など新たなビジネスに果敢にチャレンジしてきた。しかしネット分野はもっと努力していかなければいけないと思っている。いろいろな形で一緒に可能性を追求できるような協業を期待している。第一期では7社の企業が受賞し、リアルやネットでの協業のほか、合計10億円以上の出資もしている。ぜひ今回もいろいろな形で協業していきたい」と話し、第一期の選考企業に出資していることも明らかにした。
最終審査では、CCCの代表取締役社長兼CEOである増田宗昭氏が審査委員長を務めたほか、取締役 CIOの石田宏樹氏、CCCマーケティング取締役副社長の北村和彦氏、カルチュア・エンタテインメント代表取締役社長の中西一雄氏、IMJ Investment Partners Pte代表取締役社長の堀口雄二氏、デジタルハリウッド代表取締役社長兼CEOの吉村毅氏らが審査委員として登場。ゲスト審査員はニューズピックス取締役の佐々木紀彦氏、学校法人インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢代表理事の小林りん氏、Mistletoe代表取締役社長兼CEOの孫泰蔵氏らが務めた。
最終審査会は、各社のプレゼンと審査員の質疑応答で進められた。アニメ評価ランキングサイト「あにこれ」のように、TSUTAYAと親和性の高いものから、遺伝子検査を手掛けるジーンクエストなどのヘルスケア分野、ストリートアカデミーのようなスキルアップまで、業種は幅広く、CCCグループとの連携もポイント付与やTSUTAYA店頭での販売まで、あらゆる提案があった。
当初、最優秀賞1社と優秀賞2社のみであったが、TSUTAYA賞が新設され、計4社が受賞した。
ストリートアカデミー/スキル共有サイト「ストリートアカデミー」
ジーンクエスト/日本初の個人向け大規模遺伝子解析サービス「ジーンクエスト遺伝子検査」
ライフスタイルアクセント/工場直販ブランド「ファクトリエ」
あにこれ/アニメ評価ランキングサイト「あにこれβ」
CCC代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏は「忘れていたベンチャースピリッツを思い出した社員も多かったのではないかと思う。ベンチャーが勝ち残っていくためには、戦力、戦略、最後に執念が必要。32年前に退職金の100万円ではじめたTSUTAYAは、最初従業員が2人だった。それが戦力。そこから成功して事業を拡張する戦略が必要になった。いろんな失敗もしたが、その時諦めなかったのはTSUTAYAが好きで、世界一の企画会社になろうと決めていた。その執念があった」と当時を振り返った。
受賞した4社は、CCCグループとのサービス連携を順次開始していく。
最終審査に残った10社は以下の通り。
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