カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のグループ会社であるT-MEDIAホールディングスは8月28日、ベンチャー企業向け支援プログラム「第二期-T-VENTURE PROGRAM」の募集受付を開始した。
T-VENTURE PROGRAM(TVP)は、CCCグループがベンチャー企業を支援するビジネスプログラム。2014年に第一期を実施し、2015年1月に開催した最終選考会では110社の応募の中から7社が最優秀賞、審査員特別賞、TSUTAYA賞などに選ばれた。
前回はT-MEDIAホールディングス提供の下に実施されたが、今回はCCCグループへとバックアップ体制を強化。TSUTAYAなどのリアル店舗から、T-SITEのようなネットサービスまで、多方面での連携が可能になる。
8月28日に開催された事前説明会では、T-MEDIAホールディングスの代表取締役社長件CEOの櫻井徹氏が「第一期ではベンチャーの支援に慣れておらず、期待に応えられなかった部分もあったかもしれない。第二期では、第一期で得た気付きを活かし、ベンチャー企業の皆さんにもっと手を差し伸べていけると思う。CCCグループ全体での支援になったこともあり、リアルでのサービスを提供している人たちにもぜひ応募してほしい」と話した。
TVPは、ベンチャー企業の事業に「T-SITE」やCCCグループの資産を開放し、一定以上の相乗効果を得ることが狙い。第一期でTSUTAYA賞を受賞した、つみきはレビューサイト「Filmarks(フィルマークス)」のウェブサイト上に「新作レンタル情報」などを表示する業務提携を開始。審査員特別賞を受賞した坂ノ途中は、取り扱っている無農薬野菜の試食会を二子玉川にある蔦屋家電で実施した。
事前説明会では、第一期でTSUTAYA賞を受賞したつみきの代表取締役社長である鈴木貴幸氏と、優秀賞を受賞したワンモアの代表取締役CEOである沼田健彦氏が登場。応募から現在までを振り返り感想などを述べた。
鈴木氏は「年末は繁忙期なので、TVPの最終選考に向けたプレゼン作りと、通常の業務に追われて大変だった」とし、沼田氏も「TVPに通るかどうかは一か八かだったので、とにかく寝る間も惜しんで取り組んだ。通常の業務をやりながら8割のちからで望むのではなく、やるんだったら12割を出そうと思った」と、当時の意気込みを語った。
TVPでは、エントリー受付から、書類による1次審査、面談による2次審査を経て、インキュベーション期間を設ける。そこでCCC側のメンターとともに企画をブラッシュアップする。
この時期、かなり密なやりとりがあるため、通常業務との並行はかなり大変とのこと。しかし「アイデアをもらうことで、そこを磨くことができた」(鈴木氏)、「意見を聞きながら、社内に持ち帰ってほかのスタッフと共有しながら取り組んでいくなど、経営陣以外にも動きが見えるようにできた」(沼田氏)と、プラスの要素が強かったという。
両社ともに、TVPを機にCCCグループから出資を受けている。それについて櫻井氏は「ベンチャー企業の事業がいきなり大化けするとは思っていない。長期的に必ず伸びてくると感じるもの、一緒に成長していけるものに取り組んでいきたい。マーケティング以外で資金も必要であれば、考える姿勢でいる」とコメントした。
鈴木氏は「TVPの応募に迷っているなら参加したほうがいい。損することはない」と、事前説明会に参加したベンチャー企業の人々にメッセージを送った。
TVPは、9月11日までの間、東京、札幌、大阪、福岡で事前説明会を実施。10月2日までエントリーを受付、その後、1次審査、二次審査、インキュベーションを経て、12月4日に「渋谷ヒカリエ」にて最終審査会を開催する。
応募は設立5年程度のベンチャー企業。業種は問わないが、T-SITEまたはCCCグループと連携し、 自社サービスを拡大したい企業、CCCグループと新たな事業の立ち上げを行いたいベンチャー企業が応募条件になっている。事前説明会への参加、エントリー受付はともにウェブサイトから。第一期に応募したベンチャー企業も再度応募することが可能だ。
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