トリニティは11月30日、Windows 10 Mobileを搭載したスマートフォン「NEO」を発表した。11月30日よりウェブサイトで先行予約を開始し、2016年1月下旬より出荷を開始する。
10月に日本マイクロソフトが開催したWindows 10デバイスのプレスイベントで、開発表明されていた製品だ。トリニティの周辺機器ブランド「Simplism」とデザイナーズユニット「TENT」のコラボブランド「NuAns」シリーズのひとつで、新たにエンジニアとして永山純一氏、アドバイザーとしてPC、モバイル、A/Vなど幅広い分野で活躍するジャーナリストの本田雅一氏も参加している。
ハイスペックではないが、最新のミドルクラスのチップセットを備え、「NEO CORE」と呼ばれる本体+72種類の組み合わせから選べるスマートフォンカバー(外装)を特徴とする。飽きたら交換できるほか、NEO COREの3Dデータを公開するため、3Dプリンタで自作のデザインを作ったり、サードパーティベンダーがカバーを作成したりできる。これまで10年に渡り、スマートフォンケースの開発・販売をしてきたトリニティならではの知見を生かしたスマートフォンだ。
価格は、本体のNEO COREが3万9800円に加え、外装カバーとしてトップカバー1500円〜とボトムカバー1400円〜を組み合わせた「TWOTONE」またはフリップケース2750円〜を選ぶ必要がある。実質の最低価格はTOWTONEの場合は4万2700円〜、フリップケースの場合は4万2550円〜(いずれも税別)となる。
スペックは、5インチのHDディスプレイを搭載し、チップセットはQualcomm Snapdragon 617(MSM8952)だ。外部ディスプレイと接続することで、Windows 10搭載PCのようなインターフェースで操作できる「Continuum」にも対応予定。IEEE802.11acに対応するほか、Nexus 5X/Nexus 6Pに搭載され話題となった「USB- Type-C」を備える。リバーシブルコネクタ設計で、向きを気にせず差し込める。バッテリ駆動時間は約2日間。
NFC Type A/B/FeliCaに対応するが、発売時の仕様では内部に装着できるカードリーダーとしてのみ利用可能。カメラはリアカメラが1300万画素、広角28mm、F2.0相当。フロントカメラは500万画素、セルフィーにも適した24mm相当の広角レンズを採用している。
トリニティ 代表取締役の星川哲視氏は、国内のスマートフォン市場は、iPhoneが50%のシェアを占める一方で、「まだ残り50%がある」と説明する。一方で、現状のスマートフォン市場を見るとキャリアが提供するハイエンドモデルか、MVNOらが提供する格安スマホの2拓となっており、「iPhoneの代わりになるものが存在しないのではないか」とし、新たなスマートフォンを開発した背景を語った。
NEOが目指したのは、日常生活での使い心地のよさだ。最近のスマートフォンは、薄さ競争になり、使いやすさとはかけ離れていっているのではないかと考えたという。薄さを求めないことで、適度な厚みとラウンドシェイプによるホールド感や2日のロングバッテリライフ、美しくそろえたボタンや端子の配置など、さまざまなメリットがあるとした。
星川氏は、「ただ作るだけなら、スマートフォンは難しくない。中国ODM工場にあるリファレンスモデルを購入するだけででき、色を変えればいいだけ。でも、オリジナリティはなく、価格かスピードかの価値になる。トリニティはいままでの概念を覆し、新しいものを一からつくることを選んだ」と説明した。
では、なぜWindows 10を採用したのか。AppleやGoogleと異なり、スマートデバイスとPCのOSを分けないWindows 10は、PCとスマートフォンを使いこなすビジネスパーソンに一貫した機能と体験が提供できること、個人のデバイスを業務でも活用するBYOD(Bring Your Own Device)などワークスタイルが変革している時代に合っていることを理由に挙げた。
スマートフォンカバーは、上下で色や素材を自由に組み合わせられる「TWOTONE」(1400円~)と手帳のようなスタイルの「FLIP」(2970円~)の2種類が用意されている。
TWOTONEは、上8種類、下8種類の計64パターンから選べる。天然木材や人工皮革を用いたこだわりのカバーだ。FLIPには、クレジットカードが入るポケットを2つ備える。いずれも、メイド・イン・ジャパンだから実現できた製品という。NEO CORE本体にはバッテリ部分にへこみがあり、SuicaやPASMOなどが入れられるようになっている。
また、周辺機器NuAnsシリーズのラインアップとして、ケーブルやバッテリ、充電機能付きライトやスピーカライトなど、iOS向けに展開している周辺機器のUSB Type-C向けデバイスを2016年1月から順次発売予定だ。
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