重視したのは“カバレッジ”--新作映画から趣味嗜好まで12万本をそろえるU-NEXTの戦略

 2007年のサービス立ち上げから約8年、総契約数が130万人を突破したU-NEXT。映像配信サービスの先駆者として、テレビへのアプリ搭載や配信プラットフォームの提供など、積極的な市場拡大を担ってきた。10月には、映画のプロによるキュレーションと独自のアルゴリズムを融合したレコメンドシステムを確立。映像配信サービスとして「U-NEXTならば、見たい作品がそろう」世界を目指す同社の取り組みとリニューアルのポイントについて、U-NEXT取締役NEXT事業本部長の堤天心氏に聞いた。


U-NEXT取締役NEXT事業本部長の堤天心氏

転換点は“スマホ”、モバイルの視聴環境は予想以上に整備

--サービス開始から約8年が経ち、映像配信は事業者の数もインフラも大きく変わりました。開始当初から一番変わった部分はどこですか。

 転換点になったのはスマートフォンの普及ですね。今でこそPCでもテレビでもスマホでも見られるマルチデバイス化は、VODの必須条件ですが、サービス開始当初はモバイルでこれだけ見られる環境が整うとは想定していませんでした。

 インターネット経由で動画を視聴するのは「YouTube」が一定のトラフィックを獲得していましたが、ある時期からPCでのトラフィックの伸びが緩やかになっているんですね。それを補う以上の形でスマホでの視聴が増えており、この数年間でスマホをきっかけにVODサービスを知る、トライアルするユーザーが爆発的に増えています。

--ブロードバンドなどのインフラ面はいかがですか。

 動画サービスは扱うデータ量が多いため、通常のウェブサービスに比べてはるかに設備投資がかかるんですね。開始当初はそうした負荷を想定した上で構築していましたが、動画の圧縮技術やCDNなどの進化によって2010年前後位からフルHDクオリティの配信も含めてかなり安定した配信ができるようになってきました。特にここ3~5年のネットワークやインフラ環境面における技術の変化はすごいですね。

 ただ、インフラ面は整ってきているにもかかわらず、映画を見るなら映画館かDVD、ドラマを見るならテレビ放送と、制作する側も視聴する側も視聴環境を固定して考えていることがまだまだ多いように思います。スマホで見る、あるいはテレビでインターネット経由の動画を見るということを前提にして作られているコンテンツはまだ本当に一部。言い換えればVODの視聴形態がまだ皆さんに届いていないともいえます。これは課題でもありますし、ある意味大きな市場拡大のチャンスとも言えます。

--U-NEXTはかなり早くからテレビで見ることを推進されていたように思います。

 現在ユーザーのうち約半分がテレビで視聴しており、残りの半分がPC、半分はスマホという構成です。

 今までの視聴習慣を考えると、テレビで見ていただくことが一番自然だとサービス開始当初から考えていました。日本はレンタルビデオが普及していますから、レンタルDVDやBDを見るのは、やはりテレビですよね。WOWOWやスカパー!などの多チャンネル放送もみなさんテレビで見ている。こうした日本の視聴環境を考えるとテレビで見てもらうのが一番いいと思います。放送波なり、DVDなりで見ているコンテンツがIPに置き換わっていくことで、さらなる利便性や価値を提供できると思います。


U-NEXTサービス画面。(C)ヤング ブラック・ジャック製作委員会

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