医師限定のソーシャルメディア「MedPeer」を運営するメドピアは11月4~5日の2日間、ヘルステック(医療とヘルスケアのためのIT)のグローバルカンファレンス「Health 2.0 Asia - Japan」を都内で開催した。
2日目の基調講演では、米Health 2.0社の共同創業者であるMatthew Holt氏が、ヘルステックの変遷と最新のトレンドについて説明した。
最初にHolt氏は、Health 2.0社の活動について、世界90拠点の支部にいる10万人以上のスタッフが、3900社の企業と4500種類の医療製品を追跡していると紹介。その上で、1枚のスライドを提示した。
スライドはヘルステックの現状を世界地図風に現したものだが、地図上部には“旧20世紀型のヘルスケア”として「エンタープライズヘルス帝国」が存在し、その下には「新しいテクノロジを使った反乱軍」、最前線に「患者たちのエンパワーメント(医療系コミュニティなど)」が存在する。Holt氏は医療関係者がそれぞれの領土で活動を行う様子を映画スターウォーズになぞらえて「悪の帝国に対する反乱軍のようだ」と表した。
今、医療系コミュニティのスタートアップ企業が世界各国で急成長中だ。Holt氏の説明によれば、これらの企業の78%が北米に、15%が欧米に集中しているが、2015年10月時点で南アフリカや中国にも4%ほど確認されたという。その一方で、日本は10月時点でゼロ%である。Holt氏は「日本の医療系企業、特にヘルステックに興味を持つ若者に多く参加してほしい」と語った。
Holt氏は、ヘルステックのもう1つのトレンドとして企業の合併や買収が増えていることを挙げた。その一例として、アクティビティを記録するウェアラブルデバイスで有名なfitbitによるフィットネス系アプリ開発企業Fitstar買収、オンライン医療相談のTeladocによる同業のAmericDoc買収がある。
その他にも大手スポーツブランドUnderArmourによるダイエットアプリMyFitnessPalの買収や、adidasのランニングサポートアプリRuntastic買収も記憶に新しい。2011年は10億ドル程度の規模だったヘルステック市場だが、現在は50億ドル規模まで成長しているという。
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