カシオ計算機は11月19日、防水・耐衝撃性能を備えたデジタルカメラ「Outdoor Recorder(アウトドアレコーダー)EX-FR100」を12月11日より発売すると発表した。市場想定価格は税込で6万円前後。
EX-FR100は、2014年9月に発売した「EX-FR10」の新モデルだ。カメラ部と液晶画面付きのコントローラー部を分離できるのが特徴だ。アタッチメントを使ってカメラを腕に巻き付けたり腰に固定したりすれば、多彩なアングルから撮影できる。なお、EX-FR100はEX-FR10よりもやや大きいことから、よりコンパクトなものを望む人向けに併売する方針だ。
新たに超広角16mmレンズを搭載し、独自のハイスピード技術とセンシング技術により高画質に撮れるようになった。QV戦略部 企画室 室長の仁井田隆氏は「広角レンズというと、周辺がゆがんで魚眼レンズのようになるものもあるが、EX-FR100はすみずみまできれいに描画できる」と自信を見せる。
コントローラー部に搭載された液晶画面も大きくなり、高精細で見やすい3.0型静電容量式タッチパネルになった。
さらに、高速撮影技術と高速画像処理技術を融合させた「EXILIM エンジン HS ver.3」を搭載。デュアルCPUと2つの画像処理回路などにより、快適な撮影レスポンスと高速連写撮影ができ、秒間30枚、最大30枚の高速連写、目に見えない動きを高速(240fps)でとらえるハイスピードムービーの撮影が可能だ。
ハンズフリーで撮影できる「インターバル撮影機能」も備える。静止画を撮影する際に高速連写を一定時間続けるとともに、センシングと画像解析を行ってブレや傾きの少ない画像を1枚選択する。これにより、アクティビティの最中でもハンズフリーの「ながら撮り」で、失敗の少ない撮影が可能になったとしている。
「例えばこれまでならインターバル撮影を30秒に設定していたら、30秒後に必ず撮る。カメラがすごく動いていても撮る。今回は、加速度センサにより、動きの少ない安定している時の写真を押さえる。水平がゆがんでいたら、ゆがんでいないところの写真を押さえる。30秒からは1~2秒ずれる可能性があるが、その分いい絵が撮れる」(仁井田氏)
EX-FR10から搭載する「ハイライトムービー機能」も進化。人物や記念撮影、アクティビティを楽しんでいるその場の風景なども織り交ぜながら、1日の感動体験を凝縮したより臨場感あふれるダイジェストムービーを作成できるようになった。また、「エクシリム オートトランスファー」により、撮影した画像を自動でスマートフォンに転送することで、キレイに撮った写真や「ハイライトムービー」のSNSへの投稿、友達との共有も簡単に行える。
カシオ計算機 QV事業部長の中山仁氏は、デジタルカメラ市場について「急速に縮小している」と語る。
「理由はスマートフォンで、それに食われているのが事実。だが、スマートフォンを持って身近なモノを撮っており、映像に対する接し方は拡大している。だから従来と違った製品が(道を)切り開けるのではないか」と語った。
EX-FR100を開発するQV事業部は、1995年に発売した液晶付きデジタルカメラ“QV”を名前として使い続けている。QVは、QuickViewの意味を持っているという。液晶で画像をその場で確認し、消せる。人に送れる新しいコミュニケーションを──。そんな思いが当時から開発背景にあったという。
中山氏は、「それは今、スマホでやられている。カシオのデジタルカメラは外に対してQVという言葉は使っていないが、デジタルカメラを創っているわけではない。デジタルコミュニケーションを創っている」とし、“Amazing Gear”という開発コンセプトでものづくりをしていると語った。
その第1弾が2014年に発表したEX-FR10で、「市場の反響が大きかった。衰退している市場の中で、カメラの枠を超えたものを期待していたのではないか。カシオらしいという言葉もいただいた。EX-FR100は基本性能を進化させ、アウトドアのレコーダーとして訴求していきたい」と意気込みを見せた。
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