「10minutestorage」は、10分限定でファイルをオンラインで共有できるサービスだ。3つの単語から生成される専用URLを相手に伝えることで、大容量のファイルをスムーズに受け渡すのに重宝する。
使い方は簡単で、サイトにアクセスしてページ中央の「Create your Storage Room」をクリックすると、専用のURLが発行され、ファイルのアップロードが可能になる。アップロードが完了したら、専用URLを相手に知らせ、ダウンロードしてもらうという仕組みだ。サイトの表示は英語だが、フローはとくに奇をてらったところもないので、使い方がわからず困ることもまずないだろう。
本サービスの特徴は、専用URLの形式だ。「https://10minutestorage.com/」の後ろに続く文字列はランダムな英数字というよくあるスタイルではなく、「fan.hill.river」といった具合に、3つの単語が「.」によって連結されたフォーマットになっている。意味のある単語によって生成されているため口頭で伝えやすく、また頭の中で復唱しながら書き写しやすいといった利点もある。ランダムな英数字は口頭での伝達が難しいため結局コピペせざるを得ず、結果的にセキュリティを下げてしまっている場合もあるが、この方式ならそうした問題もないというわけだ。
サービス名にもなっている、10分という制限時間も特徴の1つだ。10分を超えるとファイルは自動的に削除されるので、いつまでもファイルがオンラインに放置される危険がない。面白いのは、この10分という制限時間にはアップロードに要する時間も含まれていることで、つまりファイルサイズが大きすぎるとアップロード完了前に時間切れになってしまう可能性もある。制限時間にアップロード時間を含めることで、そのまま容量制限として機能しているのが面白い。
一方、ファイル共有サービスとしての機能は控えめだ。パスワード機能はなく、URLさえ知っていれば誰でもアクセスしてダウンロードできるほか、ダウンロードの回数制限もない。複数のファイルをアップロードすることは可能だが、一括ダウンロード機能はなく、1つずつしか行えないため、極力ローカルで圧縮ファイルにまとめてからアップロードしたほうがよいだろう。
専用URLからトップページに戻るリンクがなかったり、3つのキーワードはURL欄に直接入力しなくてはいけなかったりと、荒削りな部分も見られるが、サービスとしてのコンセプトは明確で、誰にでも分かりやすいインターフェースも高評価だ。スマホからの利用にも対応しているので、他人への大容量ファイルの受け渡しだけにとどまらず、容量のあるファイルをPCからスマホに移動させる場合などにも重宝しそうだ。
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