NTTぷららが運営する映像配信サービス「ひかりTV」は11月17日、事業説明会を開催し、11月下旬から4KによるIP放送チャンネルをスタートするほか、HDR対応の4K VOD作品の提供を開始するなど、今後の4K施策について説明した。
ひかりTVは、2014年10月にVODによる4K作品の提供を開始。4Kコンテンツ配信は、VODではアクトビラ、放送ではスカパー!などが実施しているが、VOD、IP放送ともに4Kコンテンツを提供するのは、現時点でひかりTVのみになる。
4K-IP放送は、商用の光回線を通じて提供し、総合編成の「ひかりTVチャンネル 4K」(CH104)と、エンタメ報道&ライフスタイルニュース専門チャンネルの「モデルプレスTV by ひかりTV 4K」(CH105)の2チャンネルを用意。提供開始はひかりTVチャンネル 4Kが11月30日(試験放送は11月24日開始)、モデルプレスTV by ひかりTV 4Kが12月19日(試験放送は12月11日開始)になる。
ひかりTV 4Kは、ドラマ、映画、バラエティ、音楽、スポーツなどの幅広いジャンルのコンテンツを提供する総合チャンネル。「人類の遺産 古代エジプト5000年」「THE 世界遺産 4K PREMIUM EDITION」などのドキュメンタリーのほか、映画、スポーツ、「ルミネtheよしもと」のお笑いライブ生中継番組などを用意する。
一方、モデルプレスTV by ひかりTV 4Kは、女性向けエンタメ&ライフスタイルニュースサイト「モデルプレス」と共同で提供。生中継を中心に、エンタメ情報や、ファッション、美容、グルメなどのライフスタイル情報を届けるという。
視聴するには、4K VOD配信でも使用している4Kチューナ「ST-4100」が必要で、11月24日から実施されるファームアップデートをすることで4K放送の視聴も可能になるとのこと。現在月額レンタル料は税別1800円で提供しているが、12月利用分からは税別900円へと値下げする。
新たに、HDR対応の4K VOD作品をひかりTVで提供することも発表した。NTTぷららによると商用サービスとしてHDR対応の4K VOD作品を提供するのは国内で初めてになるとしている。
HDRは明るい部分をさらに明るく、暗い部分をより暗く映し出せる次世代の映像技術。各テレビメーカーでも2015年秋に発表されたテレビで、HDR対応を打ち出している。
ひかりTVでは、Ultra HD Blu-rayなどにも採用されているHDR方式「HDR10 方式」を採用し、開始当初は10本程度のHDR対応作品を用意する。今後は順次作品を追加していくという。
視聴するにはHDR対応テレビが必要で、LGエレクトロニクスジャパンの「EG9600/UF9500」シリーズ、東芝ライフスタイルの「REGZA Z20X」シリーズで対応する予定だ。なお、ひかりTVが提供する4K対応チューナのST-4100は2016年上期にHDR対応を予定している。
あわせて、スマートフォン向けにも4K VODとHDR対応のサービスを開始する。対応するスマートフォンはソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Z5 Premium SO-03H」で、4K VODサービスは11月20日、HDRサービスは2016年1月からスタートする予定。約40本の4K-VOD作品を用意する。
NTTぷららの代表取締役社長である板東浩二氏は「2014年の10月に4K VODサービスを開始したときは124本の4Kコンテンツを提供していたが、現在ではその数を453本にまで増やした。2016年3月末には700本まで拡大し、日本最大の4Kサービスにまで持って行きたい」と今後の取り組みについて話した。
コンテンツに関しては、テレビ東京や関西テレビとの共同プロジェクト作品を拡大する一方、全国各地の放送局との共同プロジェクトにも着手。「にっぽん4K巡り」として、放送、VOD独占配信を行う。また、約半年間実施してきた、4K映像制作コンテスト「ひかりTV 4K クリエイターズチャレンジ」にて、学生が制作した9作品をひかりTV 4Kで提供を開始する。
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