スカパーJSATは11月5日、2016年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績を発表し、決算説明会を開催した。売上高は「スカパー!プレミアムサービス」の加入件数減などにより、前年同期比0.8%減の817億5600万円、営業利益はコンテンツ費用の増加などを受け、同15.3%減の108億7100万円の減収減益となった。
四半期純利益は同30%減の70億3500万円となったが、スカパーJSATホールディングス代表取締役社長である高田真治氏は「投資有価証券売却益の減少やグループ内組織再編により子会社の繰越欠損金が回収可能になった前期と比較して法人税などが増加したという、特殊な事情があった。通期の予想進捗率は50%に達していないが、ほぼ期初予想通りとし、通期の連結業績予想は変更しない」とした。
有料多チャンネル事業の第2四半期(7~9月)は、売上高が前年同期比横ばいの406億3300万円、営業利益が同19億3000万円から7億7200万円へと減少した。2015年度はBSスカパーのオリジナルドラマ製作や、ポール・マッカートニー武道館ライブ放送など、独占コンテンツや生中継スポーツコンテンツを拡充するなど、スカパー!の強みをいかした差別化戦略を実施。9月には10日間の無料放送も行った。
こうした施策が功を奏し、第2四半期累計の新規加入件数は、前年同期の19万1000件から、22万6000件へと増加。純増数も2万件増加に転じた。
今後は、オリジナル時代劇やスポーツ、アニメといったコンテンツによる差別化を図るとともに、「スカパー!4K総合」「スカパー!4K映画」と2つの4Kチャンネルにも引き続き注力。「年末商戦は4Kテレビが売り場をにぎわすだろう。その際、スカパー!プレミアムチューナ内蔵テレビを通じて、店頭販売を促進したい」(高田氏)とした。
また、「スカパー!オンデマンド」については「順調な伸びを維持し、9月末の累計登録者数は53万6651件。無料放送に合わせた無料配信をテレビCMで訴求することによって登録者が伸びた。テレビ放送と同じコンテンツを、あらゆるデバイスで楽しめるチャンネルをさらに拡大し、ほかのVODサービスとは差別化したオンデマンドサービスとして登録者を獲得していく」(高田氏)と意欲を見せる。
新映像技術として注目を集めるHDR(High Dynamic Range)放送は、発表会場でデモ機を披露し、4K放送に加えさらなる高画質化を推進していることをアピール。11月18~20日に千葉県の幕張メッセで開催する「InterBEE2015」では、4K HDR映像伝送デモを実施する。
このほか、宇宙・衛星事業は、売上高が前年同期比3%増の130億9800万円、営業利益が9%増の44億700万円となった。10月からは地域災害医療に最適な衛星通信システムの開発と運用に関する研究、継承を開始し、災害医療分野での活用を目指しているとのこと。
米Intelsatと衛星の共同調達を決定したほか、低軌道・超小型衛星ビジネスへの取り組みも開始しているという。
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