ハグカムは11月4日、子ども向けのオンライン英会話サービス「GLOBAL CROWN(グローバルクラウン)」の提供を開始した。同社は10月29日にオプトベンチャーズ、ICJ、ディー・エヌ・エーから約6000万円の資金を調達していた。
オンライン英会話といえばフィリピン人の講師によるSkype英会話を思い浮かべる人もいると思うが、3~10歳の子どもに大切なのは、“先生が好き”という状況を作ることだと同社代表取締役の道村弥生氏は話す。そこでGLOBAL CROWNでは、日本語でフォローできるバイリンガルや海外経験の長い大学生や母親を先生として採用しているそうだ。
また、10歳くらいまでの子どもは規則正しい生活をしているため、あえてレッスン時間を固定。毎日20分、決まった時間に指定することで、子どもや親のモチベーションを維持できるとしている。さらに、自宅ではPCを使わずSkype自体の利用が難しい母親もいることから、iPadやiPhoneアプリで手軽にレッスンを受けられるようにした。
20分間のレッスンの内訳としては、最初の3分間で基本的な挨拶をし、次の5分間でカードモードを使って一問一答のクイズで英単語を学ぶ。さらに、10分間かけてイラストモードで日常会話で使えるフレーズを学び、最後の2分間でさようならの挨拶をしたり、次回のレッスン内容への要望を伝える。
月額料金は、「平日毎日プラン(最大23回)」が1万7600円、「週4回プラン(最大18回)」が1万5500円、「週3回プラン(最大14回)」が1万2500円。他のオンライン英会話サービスと比べると少々高いようにも感じるが、道村氏は「英語アプリではなく、英語塾に代わるサービスと認めていただければ、1万円以上の月謝をいただけることは、モニター期間を通じて確証を持った」と説明する。
同社では6月からクローズドで生徒を受け入れて運営をしており、無料期間後の有料化への転換率やその後の継続率などのKPIは順調とのこと。まずは、月商1000万円(生徒500人×月額約2万円)を目指しているが、学習塾などへのサービス提供も視野に入れているという。
幼少期はアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が原因で内向的な性格だったが、親の教育や愛情のおかげで人一倍好奇心が旺盛な性格へと変わることができたという道村氏。そうした幼少期の原体験が人格に影響を与えていると感じ、幼少期の体験や親とのコミュニケーションに携わる仕事がしたいと思うようになったという。
そこで20~30人の母親にヒアリングをしたところ、「アプリには期待していない、300円でも高い」という声を多く聞いた。その一方で、子どもへの投資の中心は習いごとであり、多くの人が英語に悩んでいることが分かったという。そこで、「教育×IT」という市場をゼロから生み出すのではなく、「英語塾、英語教材」という既存市場からのリプレイスを狙い、GLOBAL CROWNを立ち上げたのだという。
今後は、会話に特化した独自カリキュラムの開発や、生徒個別のレッスン状況のデータベース化と共有、先生が使うレッスン機能の強化など、より満足度の高いレッスンを提供することで他の英会話サービスと差別化していきたい考えだ。また、将来的には英語学習だけでなく、さまざまな教育ジャンルへの展開も検討していきたいという。
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