もともと数十年の長期的なロードマップとして、電気自動車への流れがあると考えていた人やメーカー、サプライヤーは非常に多い。電気自動車がいつ爆発的な普及をするかどうかは、バッテリの容量や価格、充電環境といった課題をクリアできるどうか、それがいつなのか、ということにかかっている。
そして、電気自動車へのシフトを見込んで次の手を出しているのが日産や三菱だ。量産電気自動車を手がけているのはその2社ということもあるが、日産の「ニッサン IDS コンセプト」は自動運転とEVの組み合わせ。三菱自動車の「eX Concept」はコンパクトSUVとし、次のステップとして、さまざまなタイプの電気自動車を増やして自動車の多彩な需要に応えるとともに、電気自動車ならではのスタイルや使い道も提案しようとしている。
充電環境のほうでも、家に200Vの屋外コンセントをつければ電気自動車の充電環境整備という意味ではこれでよいが、毎日の充電をより便利にするための充電機器も開発が進んでいる。
200Vのコンセントを付けても、充電量はクルマ側の事情や操作に合わせて充電されるだけで、家側のブレーカーが落ちそうな時や、今の時間だけ電化製品を使ってないから大電流で充電したいといったシーンでの制御はできなかった。それに対する新しい試みとして双方向通信に対応した家庭用充電器の参考出品が見られた。
家の配電盤のセンサと協調することで、連続的に充電量を変化させることができ、ブレーカーを落とさず、しかも200Vの普通充電よりも早く充電することが可能になる。価格はまだ不明だが、量産次第では相当に安くなるはずだ。
ひところほど大きなトピックにはならないが、じわじわと電気自動車の普及に対応する環境整備が行われているのだ。
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