画期的な発見や技術力があっても、企業が存続するのは難しい。常に安定した企業などないことは、働いたことのある人なら、誰しも身にしみて分かっていることだろう。それは知らない人のいない「インテル」という世界的な巨大企業であっても同じ。
インテルという名前を聞いたことがない人はいないだろう。「インテル、入ってる」というキャッチコピーを覚えている人も多いはずだ。そのインテルについて語ることは、もはや「歴史」を語ることになるようだ。本書は、シリコンバレーという場所、半導体産業、インテルという企業の歴史を記したドキュメントであると言えるが、その実、主役は常に「人」であり、「ムーアの法則」で有名なゴードン・ムーア氏を始めとする、インテルに関係する多くの人物たちの愛憎渦巻く人間模様の歴史とも読める。
人の思惑がなければ、歴史は動かない。いつでも必死のその時代を生きた人がいて、それが結果的に世界規模で有名な話になったというだけだ。本書は、まるで映画を見ているようにドラマティックに話が展開する。半導体などの技術に関する知識については、後ろのページに補足資料があるが、そのような知識がなくとも、インテルとそれを取り巻く人々の紆余曲折は、「ジェットコースター」に乗ったように楽しめる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス