DeNAは10月30日、キュレーションプラットフォーム「DeNAパレット」に関する発表会を開催し、4種類のジャンル特化型キュレーションメディアを新たに開始した。同社が運営するキュレーションメディアは、これで計10媒体となる。また、同社は2016年から動画コンテンツ、動画広告を本格的に推進していく方針を明らかにした。
今回公開されたキュレーションメディアは、ヘルスケア情報に特化した「welq(ウェルク)」、カーライフスタイルに特化した「GOIN(ゴーイン)」、節約術や投資・保険などの情報を扱う「Upin(アップイン)」、エンターテインメント分野の情報をまとめる「PUUL(プウル)」の4種類。
いずれのメディアもDeNA社内で新たに立ち上げたもので、それぞれの運営規模はスモールスタートになるものの、これまでのメディア運営から得られたコンテンツ作りのノウハウやシステム開発、広告展開のリソースを活用してスタートアップさせていくという。また、welqは同社のヘルスケア事業と、GOINはオートモーティブ事業とそれぞれ連携していくことも視野に入れているとのこと。
キュレーション企画統括部長の村田マリ氏は、今回のサービス拡充によって、キュレーションプラットフォーム事業のメディア展開をライフタイルの領域10ジャンルに拡大させるという2015年度の目標が達成したことを紹介。今後は各メディアが扱う領域に根差したコンテンツ制作や、ネイティブアド展開、各メディアの特性に合わせたビジネス開発を推進していくとしている。「今後はそれぞれのメディアに良質なコンテンツを揃えることにより、キュレーションプラットフォームの可能性を無限に拡げていきたい」(村田氏)。
同社では、女性向けファッションメディア「MERY(メリー)」が、月間UU2000万、昨年比の売上が約3倍、またインテリア情報メディア「iemo(イエモ)」が月間UU500万、昨年比の売上が約4倍、旅行・お出かけ情報メディア「Find Travel(ファインドトラベル)」が月間UU1200万と順調に成長しており、10媒体で運営ノウハウや広告プラットフォームを共有しながら、延べUU4000万の事業規模全体を拡大させていきたい考えだ。
「iemoやMERYといった成功事業の成功要因を分析する“グロースハック”という社内組織を通じて、新たに立ち上げた後発メディアにノウハウを伝達・共有していく。また、制作に関するオペレーション体制や広告制作チームの共有やシステムの連携を各メディアで行っていくので、各メディアの運営チームは小さいが、それぞれを独立して立ち上げるよりも効率よく運営ができる」(村田氏)。
また村田氏は、2016年の事業目標として動画コンテンツ、動画広告の本格的な展開に力を入れていくと説明。「毎年のように“来年は動画が来る”と言われているが、我々は2016年こそ“動画元年”になると考えている」と語り、生活に必要な情報を取得する手段がスマートフォンにシフトしていること、ネット動画の視聴時間においてスマートフォンがPCを上回ったこと、FacebookなどのSNSで動画の共有が容易になり利用が拡大していること、動画制作・配信インフラの整備などを背景に、動画コンテンツの活用がさらに加速していくとの認識を示した。
そこで同社では、ユーザーの“すきま時間”に濃密な情報を得られる手段として、各メディアの扱っているテーマに合わせて、45秒から1分程度の短時間で楽しめる動画コンテンツを自社制作し、公開していくという。すでにiemoとMERYで公開したテスト動画に対する反響は非常に高いとのこと。「iemoのFacebookページにテスト公開した動画は、約1日半でいいね!が1万超、再生回数も約20万回にのぼった。非常に拡散力のある動画を作成することができた。」(村田氏)。
また動画広告については、商品・サービスの持つ世界観を各メディアのテーマに最適化したタイアップコンテンツを自社制作し、配信していくとしている。加えて、10種類のメディアに横断的に展開できる動画アドネットワークも推進していくとのこと。すでにパナソニック、ソニー、ANA、キリン、ライオンなどの大手企業による出稿が内定しているという。「情報感度の高いユーザーへのリーチと各媒体のトップビューに掲載することによる認知の向上をメリットとして推進していきたい」(村田氏)。
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