NTTドコモは10月30日、2015年度上期(2015年4~9月)の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比1.9%増の2兆2149億8700万円、営業利益は同15.8%増の4625億7400万円、純利益は同22.2%増の3171億3500万円となった。「月々サポート」による減収影響はあったが、端末の販売増や「ドコモ光」の契約数の拡大、コスト削減などによって、増収増益となった。
純増数は前年同期と比べて1.6倍となる190万契約。MNP(携帯電話番号ポータビリティ)は前年同期は18万の転出だったが、2015年上期は4万の転出に抑えた。総販売数は同10%増の1204万台、スマートフォンの販売数は同5%増の707万台となった。また、タブレットは2台目需要が拡大し、同42%増の102万台となった。ドコモのスマートフォン利用者数は、同17%増の3075万台。
2014年6月に開始した新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の契約数は10月7日に2400万契約を突破。このうちの8割が「データMパック」を選んでおり、1Gバイトの追加データ購入率は4割以上に拡大しているという。9月25日から、月額1700円で5分以内の通話が定額になる「カケホーダイライト」の提供を開始したが、現状は約3割の顧客が新規契約の際にこのプランを選んでいるという。
3月に開始した固定通信サービス「ドコモ光」の累計申込数は約90万。そのうちの2割が上位プランへ移行しており、5割が家族間などで利用できるシェアパックを選んでいる。また、4割がモバイルを新規契約するなど相乗効果が見られるという。
モバイルと親和性の高いコンテンツを取り扱う“スマートライフ領域”の営業利益は前年同期の3倍となる424億円。特に、「dマーケット」などのコンテンツサービス、クレジットなどの金融・決済サービス、オークローンマーケティングなどグループ会社のサービスが成長を牽引しているとした。2015年度は営業利益で年間700億円を達成したいとしている。
直営ストア「dマーケット」の契約数は1395万。9月末時点で「dTV」が476万契約、「dヒッツ」が337万契約、「dマガジン」が251万契約、「dアニメストア」が213万契約、「dキッズ」が61万契約、「dグルメ」が57万契約を超える。dマーケット1人あたりの利用料も前年同期比で約3割増となる1300円となった。
ドコモでは9月25日から下り最大262.5Mbpsの高速通信サービス「PREMIUM 4G」を開始し、全国640都市に7700局の基地局を重点展開。10月からは全国410都市で300Mbpsのサービスを開始した。2015年度末には1万8000局まで基地局を増設する予定だ。
「昨年度は大幅な減収になり非常に厳しい決算だったが、中期目標として掲げた2013年度の利益水準である8200億円以上への利益回復にむけ、これからも結果にこだわり取り組んでいく」――NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は、同日の決算会見でこのように意気込みを語った。2015年度の業績予想の見通しも、当初の営業利益6800億円から7100億円へと引き上げた。
総務省が主導して議論が進められている各社の携帯電話料金の引き下げや、KDDIやソフトバンクが参入を発表している電気小売事業などについては、いずれも検討中として明言を避けた。
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