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タイ第2の都市チェンマイにスタートアップが集積--地場企業経営者にその魅力を聞く - (page 2)

市川俊介(株式会社ワールドストリート)2015年10月30日 12時03分
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サービス開発に集中できる環境が整っている

--チェンマイが新たなスタートアップ集積都市になりつつあると実感しますか。

 はい。2014年末には、世界各地で開催されているスタートアップイベント「Startup Weekend」がチェンマイでも開催されました。このようなイベントが開催されるようになっていることは、チェンマイが新たなスタートアップ集積都市として注目され始めている証拠です。

 また、生活コストやインターネット環境など、さまざまな観点からノマド都市としてのランキング付けを実施し公開するサイト「Nomad List」では世界一のデジタルノマド都市として評価されました。実際にコワーキングスペースや多くのカフェでは、デジタルノマドとして生活する外国人をよく見かけるようになりました。この都市の勢いを肌で感じています。

--なぜいま、チェンマイがアジアのスタートアップ集積都市として注目されているのでしょうか。

 最大の理由は「コスト」です。首都バンコクは国内で圧倒的に物価が高く、生活コストも高くつきます。そのため、優秀な人材が起業をしたとしても、始めから相応の収入を得る必要があり、収益化までに時間がかかるサービスの開発に費やせる時間は制限されてしまいます。

 しかし、バンコクと比較して、たとえば外食にかかる平均価格が1人あたり約70バーツ(約230円)など物価の安いチェンマイに拠点を置いて生活すれば、コストは削減され、サービスの収益化までの時間も稼ぐことができるのです。


チェンマイのローカルフード「カオソーイ」

 また、チェンマイにはチェンマイ大学など優秀な大学が存在し、優秀なエンジニアの卵たちが数多く輩出されていることも理由の1つに挙げられます。以前はほとんど考えられなかったことですが、最近はチェンマイの大学を卒業予定の大学生のエンジニアたちから、起業に関する相談で連絡をもらう機会も増えています。まだ荒削りな部分もありますが、若年層のITや起業に対するリテラシーが確実に上がっていることを実感しています。

 観光名所としても有名であるため知名度も高く、世界有数のリゾートホテルも点在します。また、現在政府がタイをワールドクラスの医療国にしようと政策を推進する中で、チェンマイはその中心的存在でもあります。さらには気候も良く、美しい自然に囲まれ、農業や食文化においても秀でています。


多くの観光客で賑わう「チェンマイ・イーペン祭り」

 つまり、サービス開発に集中するために必要なハード面のインフラなど、最高レベルの環境がすでに整っているのです。こうした流れの中で、チェンマイのIT都市としての地位を確立させるべく「NDEA(NORTHERN DIGITAL ENTERPRISE ASSOCIATION)」という協会の発足準備が進んでおり、私もその中心メンバーとして活動しています。

--NDEAについて詳しく教えてください。

 タイ北部に拠点を置く地場のIT企業20~30社によって構成され、チェンマイが世界有数のIT都市に発展するのを推進していくことが目的です。チェンマイ県知事も支持してくれています。

 海外の銀行などからの出資も受け、2015年10月31日には、北部タイの地場スタートアップを紹介し、大手企業とのビジネスマッチングを促すイベント「Chiang Mai Startup Demo Day "Start up in DIGITAL CITY”」を開催する予定です。IT分野での起業を目指す学生からの加盟希望も多く、今後の盛り上がりが期待できます。

 ――チェンマイは、2015年に予定されているASEAN経済共同体発足で盛り上がりを見せる、東南アジアの中心であるタイの第2の都市でありながら、抜群の生活環境と増加する若年層のポテンシャルを擁している。今後、ここから生まれてくるであろうスタートアップへの注目はますます高まりそうだ。

(編集協力:岡徳之)

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