モバイル型ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」をはじめ、SIMフリー端末「AQUOS SH-M02」やセブン-イレブン・ジャパンとのコラボによる「新世紀エヴァンゲリオン」スマートフォンなど、これまでのキャリアへの端末供給だけでない新たな取り組みにも力を入れているシャープ。10月21日、スマートフォン・新世代ケータイ新製品説明会を開催した。
NTTドコモ、ソフトバンク(Y!mobile)、KDDIの新製品も発表され、シャープはスマートフォンとして7機種を発表している。フィーチャーフォンの形をした「次世代ケータイ」と位置付ける端末は、新たに3機種を発表。次世代ケータイは2015年、4キャリアに向けて累計6機種を展開している。
シャープ 執行役員 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー カンパニーEVP 兼 通信システム事業本部長の川口登史氏は、「シャープの目指す方向性は、少々顔が見えにくくなっていると感じている。他社との差違も、再構築が必要になっている。“目の付け所がシャープなシャープ”に加えて、人に一番近いところを目指していきたい」と語った。
シャープは10月、スピード経営の実現を目指して5つの事業体を母体に、カンパニー制を導入。その1つとしてコンシューマーエレクトロニクスカンパニー(CE)を発足した。
CEの目指す新ビジョンは、「モノの人工知能化」だ。AIとIoTを合わせた造語“AIoT”により、家電をクラウドに接続して人工知能化し、もっと人に寄り添う存在にするという。
そのために必要となる技術は、(1)音声対話、(2)センシング・人工知能、(3)思考理解──の3つだと説明する。
これらの機能の一部は、スマートフォンなどに搭載している音声アシスタント「emopa(エモパー)」で実現しているが、さらに進化させてモノの人工知能化を加速させていくという。
「今シーズンよりスマートフォンAQUOSのリブランディングに取り組んでいる。これまで、(スマートフォンへの)不満解消をリードしてきたが、スマホの導入期に見られた不満はほぼ解消してきたのではないか。次のステージは、コミュニケーション。これからは、AQUOSを使うことで新たな会話や行動を生み出していく。人に寄り添うパートナーに変わっていきたい」(川口氏)と語った。
具体的にはどういったことなのか。映像や操作がなめらかな「ハイスピードIGZO」、色彩や質感にこだわった「ハイスピードカメラ」などの基本性能に加え、新たに力をいれているのがエモパーだ。新端末に搭載されるエモパー3.0では、光の着信パターンで、親しみや爽快感、ドキドキなど人の感情表現で表せるようになった。
例えば、スマートフォンのバッテリが減ると「あ、お腹が減りました」としゃべり、赤く光る。また、カーテンを開けて急に明るくなると「わあ、まぶしい!」と周囲の変化を察知してユーザーにしゃべりかける。さらには、ユーザーが画面をダブルタップして「帰りにDVDを返す」と音声メモを入れれば、位置情報をもとに会社を出たタイミングで「DVDを返すといっていたけれど、大丈夫ですか?」とリマインドしてくれる。
「具体的にスケジュールに入れにくいものを、大まかな予定で判断してしゃべる。それが便利なところ。可愛いだけでなく、できるヤツになってきた」と自信を見せた。
エモパーは、2014年に発売されたモデルに搭載されてから11カ月、継続ユーザーは約30万人だという。エモパーはスマートフォンだけでなくロボホンにも使われており、電話がかかってくると「電話だよ」と音声で知らせてくれる。
さらに「ダンスして」とリクエストすると踊ったり、指示通りにプロジェクタに写真や動画を投影したりする。また、「エモパーについて教えて」と質問すると「ぼくの友達なんだ」と説明してくれる。音声で操作をしたりユーザーと会話したりできるのが特長で、2016年前半に発売が予定されている。
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