スケールアウト、nanapi、ビットセラーの3社が合併--「Syn.」新体制へ

 スケールアウト、nanapi、ビットセラーの3社は9月30日、11月1日を効力発生日として合併することを発表した。新会社名は「Supership(スーパーシップ)」。3社はこれまで、スマホ時代の新ポータル構想「Syn.(シンドット)」を掲げて事業展開してきたが、合併によってその連携をさらに強めたい考えだ。


左からnanapi代表の古川健介氏、ビットセラー代表の森岡康一氏、スケールアウト代表の山崎大輔氏

 PCの時代には「Yahoo! JAPAN」などのポータルサイトが入り口となり、そこからニュースや天気、路線案内などの各種情報へアクセスすることが一般的だった。これが、スマートフォンの時代には、消費者はホーム画面上に好みのサービスのアプリを配置するなどして、直接求める情報へとアクセスするようになっている。

 ただし、現在はそれぞれのサービスは連携せず点在している状態のため、自身が求めるサービスと出会えない消費者も少なくないとして、KDDIを始めとするインターネット事業者12社は2014年10月、「Syn.alliance(シンドットアライアンス)」を設立し、すべてのサービスが入り口となる“中心のないポータル”の構築を目指す「Syn.」構想を発表した。


「Syn.」構想

 具体的には、天気情報の「ウェザーニュース」やカレンダーの「ジョルテ」など、メンバー企業が提供する各種サービス内に、共通のサイドメニュー「Syn.menu(シンドットメニュー)」を設け、カテゴリを選んで各サービス間をシームレスに行き来できるようにした。それから1年が経ち、現在は20サービスに拡大している。

 また、Syn.menu上で表示される広告メニュー「Syn.ad(シンドットアド)」も用意した。Syn.menuはメニューボタンをタップするまで表示されないため、コンテンツを妨げない形で、スマートフォン上に大型サイズの広告を表示できることが特徴としている。


現在は20サービスが参画

 「うまくいった部分といっていない部分があった。もともと目指していたところにはまだ到達していないが、この1年やってきてようやく成功のイメージを掴むことができた」――こう語るのは、Syn.を展開するビットセラー代表取締役 Co-CEOの森岡康一氏だ。

 Syn.が当初掲げていた“中心のないポータル”という概念が、この1年で浸透したとは言い難い状況だが、「時間はかかると思っている、続けることが大事。1年経ってダメだからやめようといった博打みたいな考えは持っていない」と冷静に話す。Syn.の発足後、月1回の協議会などを通じて事業展開について議論し、今回の新体制へと行き着いたと説明した。

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