対照的に、米CNETの動画再生バッテリ消費テストでは、iOS 8.4.1とiOS 9ベータに大きな差は見られなかった。これは当然だろう。テストはオフライン動画とストリーミング動画の再生が中心(「再生が始まったら放置」)なので、数多くのアプリを切り替えて使うという現実世界の日常的な使用法と少しかけ離れているからだ。
省電力はOSへの「さまざまな改善」によって実現したとAppleは漠然と主張しているが、新しい低電力モードも搭載された。この新モードはハードウェアからさらに電力を絞り出す力ずくのアプローチだ。Androidスマートフォンの省電力モードと非常によく似ており、不要な視覚効果を無効化し、バックグラウンドアクティビティ(自動の電子メール取得、アプリアップデート、アプリ更新など)を制限することで、次に端末の充電が必要になるまでの時間を少し延ばすことができる。
Appleによると、端末の稼働時間が約1時間延びるという。筆者の経験では、iPhone 6のバッテリが切れるまでの時間が45~50分ほど長くなった。これは一度設定すれば、忘れてしまっても大丈夫なオプションだ。筆者のテスト用iPhone 6の充電が完了すると、低電力モードは無効になり、メッセージが自動で取得されるようになった。気の利いた機能である。常に端末の面倒を見るのは嫌だが、重要な電子メールを待っているので自動取得機能がずっと無効のままなのは困るといった場合は、特にそのありがたみを感じられるだろう。
iPhone、iPod touch、iPad、「iPad mini」のユーザーは、考えるまでもなくiOS 9にアップグレードすべきだ。長くなったバッテリ持続時間、さらにスマートになったネイティブアプリ、低電力モードや利便性が向上したキーボードなどの新機能を利用できる。Apple端末を使う生活がもう少し快適になるだろう。
筆者はどうしても、真のマルチタスキングや常時オンの「Siri」といった最高の機能が最新のApple端末に限られているという印象を拭えない。しかし、この注意事項は毎度のことだ。また、iOS 9の改善点の多くは他のプラットフォームに前からあった機能だと、ちゅうちょなく指摘する人もいるだろう。それに反論するつもりはない。だが、これらのモバイルOSが成熟し、均質化するにつれて、革命的な新機能は生まれにくくなるだろう。筆者としては、iPadで新たな使用法が可能になったことに興奮を覚えている。もっと重要なことだが、GoogleがiOS 9にどう対抗してくるのかも楽しみだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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