Googleの社内ベンチャーとして位置情報を利用した仮想現実ゲーム「Ingress(イングレス)」を開発、運営してきたNiantic Labsは、Niantic, Inc.としてGoogleから独立した。9月10日には任天堂、ポケモンと組んだプロジェクト「Pokemon GO」を発表し、新たな取り組みも始まった。
Nianticはこれまで日本で、Ingressユーザーコミュニティのサポートをはじめ、ローソンやソフトバンクとコラボレーションしたり、地域活性化を目的とした地方自治体によるIngress活用を支援したりしてきた。独立することで何が変わり、Ingressはどこに向かうのか。Nianticのアジア統括本部長である川島優志氏、アジア統括マーケティングマネージャーである須賀健人氏に聞いた。
--Nianticの現状と独立について、基本的なことを教えてください。
川島氏:新会社はまだ正式には設立しておらず、まだon goingな状態。Googleから完全に独立しますが、(新たにGoogleの親会社となった)Alphabetの傘下には入りません。Nianticの資本は、Googleが大きなシェアホルダーのひとつであり、まだ公表していない別のパートナーとNiantic社員が残りをもちます。
サンフランシスコに本社を構え、シリコンバレー、シアトル、ドイツに支社があります。今後、その中でも人数的に最も大きい支社を日本に設置する予定です。
基本的には米国が開発拠点で、日本やドイツはマーケティングやサポートなどを担います。今後、もしかしたら、日本でもエンジニアを入れることもあり得ます。
私はこれまで、UXデザイナーとしての業務が80%で、そのほかを日本市場のフォローに充てていました。独立後には、アジア地域のディレクターとしてオペレーションを担うことになっています。日本に常駐している須賀はアジアを統括するマーケティングマネージャーで、独立後も変わりません。
須賀氏:いま日本では、Nianticらしいオフィス物件を探していますが、なかなか見つからないですね。もともとは「ラボ」なので、秘密基地、研究所っぽいところがよいかなと。もしよい物件があったら教えてください(笑)。
--独立の経緯は。
川島氏:前回のインタビューでもお話しさせていただきましたが、(Googleの副社長である)ジョン・ハンケがNianticを作った時に、独立することを希望していました。しかし、(GoogleのCEOである)ラリー・ペイジらが引き留めて、Google社内でインキュベーションして、それまでになかったような独立的な権限を与えられたベンチャーとして過ごしてきました。
我々はこのタイミングを、インキュベーションの時期が終わって独立する時が来た、と判断しています。Alphabetの発表タイミングと重なったため、Nianticの独立も同じ流れで語られることが多いのですが、それとはまったく別に独立を目指していました。
--独立後、ネットワークやサーバなどはどうなるのでしょうか。
川島氏:インフラに関しては、使用料をGoogleに支払い、引き続き非常に力強いアシストを受けていきます。社内の組織として使う場合と、社外の組織として使う場合とでは立場が変わってくるので、使用料に多少の変動はありますが、今後も引き続き、特別なアシストを受けていくでしょう。
--独立することで、Nianticの企業理念に変更はありますか。また、今後の事業展開は。
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