ドワンゴとニワンゴは9月17日、バーチャルリアリティヘッドセット「Gear VR」向けniconicoアプリ「niconicoVR」を開発していることを発表した。リリースは2015年秋を予定。幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2015のOculusにて出展しており、先行体験が可能だ。
これはニコニコ動画とニコニコ生放送をGear VRで再生するアプリで、360度のバーチャルリアリティ空間に動画が出現するというもの。ランキング画面では縦軸をジャンル別のランキング順に、それが360度ずらっと並んでいる形となっている。見たい動画や番組があるときは、視線をあわせてGear VRのタッチパッドをタッチするだけ。再生中も画面が視線の先に追いつくようになっている。コメントは横に流れるだけではなくフキダシで飛び出すように出現する。ヘッドマウントディスプレイを装着したまま、簡単な操作でコメントを投稿することができるかんたんコメント機能を搭載している。
ほかにもニコニコVR生放送(360度ニコ生)も体験できる。デモで用意されているのはとあるライブをステージと客席の間で見るもの。360度自由にライブステージを見ることができるほか、近くにはステージをアップに映し出した映像も流れる。定点位置だと見えにくいアーティストの顔などが見えやすくなる配慮もされている。
特徴的なのは、動画を視聴しながらでも手元を見るように視線を下げると手元の様子が映し出される手元カメラ機能。一見するとコメントを打つキーボードを見るために実装されたと思いがちだが、このアプリを手がけたドワンゴ マルチデバイス企画開発部の岩城進之介氏によれば、お菓子を食べるのに便利だからという。
「当初キーボード確認用のつもりで作ったが、お菓子を食べるのに便利だと思い始めて(笑)。でもニコニコ動画はお菓子を食べながら見る人が多いだろうと。そう思ったら、外せない機能になった」という。開発段階では負荷の問題もありこの機能を外すことも検討されたが、岩城氏が「絶対にお菓子を食べながら見るから」と譲らなかったことを明かした。
実際に体験してみると、視界いっぱいにずらっと動画が並んでいる光景は壮観。動画視聴自体の感覚はいままで通りであるものの、周囲が遮られているのでその動画に集中してみることができる。視線で直感的に動画を選択できるうえ、どんな姿勢でも視聴でるのはとてもラクだ。
「VRというとコンテンツもリッチなものが増えており、気合を入れて体験するみたいな感覚もあるが、ニコニコ動画は気合を入れてみるものではなく、だらだらと見るもの。そのため、できるだけラクにだらだらと見られるように、そしてニコニコらしい楽しさのあるものを目指した」と開発の意図を語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス