音楽聞き放題「Google Play Music」が日本上陸--iTunes購入曲なども管理

 グーグルは9月3日、音楽聞き放題サービス「Google Play Music」の提供を開始した。エイベックスやソニー・ミュージックなど国内外のレーベル200社以上が提供する、3500万曲以上の楽曲を月額980円で楽しめる。


Googleのサミ・ヴァルコネン氏(左から4人目)と各パートナーレーベルの代表者

 対応端末はスマートフォンとタブレット(Android/iOS)とPC。最初の30日間は無料で利用できるほか、10月18日までに申し込むと、限定価格の月額780円が適用される。日本は、グローバルでは60カ国目の提供国となる。

 Google Play Musicは、月額980円で3500万曲以上が聞き放題になる「サブスクリプションサービス」、楽曲(1曲150円から)やアルバムごとに購入できる「ストア」、CDやiTunesなどですでに所有している曲を5万曲までクラウドに保存できる無料の「ロッカー型サービス」の3つにより構成されている。

 サブスクリプションサービスは、楽曲を聴き込むほどユーザーの好みを学習し、そのユーザーに最適な音楽をレコメンドする。Google Playのエキスパートが厳選した、その時の気分やシチュエーションに合わせたプレイリストも表示する。事前にダウンロードしておけば楽曲のオフライン再生も可能だ。楽曲検索では、「じゅでぃまり」と入力するだけで「JUDY AND MARY」を表示するなど、同社の検索技術が生かされている。

  • 「Google Play Music」の3つのポイント

  • 10月18日までに申し込むと月額780円に

  • パートナーレーベルの一覧

  • スマートフォンで音楽再生しているところ

  • iPad版

  • PCブラウザ版

 PCブラウザ版では、アカウントを同期することでスマートフォンアプリで利用していたプレイリストや、直前に聞いていた楽曲なども同期される。また、ロッカー型サービスでは、専用のソフトウェアなどは必要なく、ウェブブラウザのみで簡単に楽曲をアップロードできる。

日本はデジタル音楽「後進国」

 同日の記者発表会で登壇した、Google Play 音楽パートナーシップ担当ディレクターのサミ・ヴァルコネン氏は、コンテンツストア「Google Play」において、特に成長が著しいのが音楽領域であり、グローバルにおけるGoogle Play Musicの登録者数は1年で倍増していると話す。「市場全体も50%以上の成長を遂げているが、有償のサブスクリプションサービスを利用するユーザーは2800万人に留まっている。まだまだ需要は高まるはずだ」(ヴァルコネン氏)。

 続けて、日本は1人あたりインターネット端末を平均2.4台所有し、スマートフォンの普及率も半数を超える“モバイルファースト”な国である一方で、音楽市場にしめるデジタル音楽の比率は17%に留まっており、71%の米国や、45%の英国、58%の韓国などと比べると大きく遅れていると指摘。「日本の物理的な音楽視聴から、デジタル音楽の視聴への移行を支援したい」と語った。


日本は他の先進国に比べて音楽のデジタル化が遅れていると指摘

 発表会では、パートナーレーベルであるソニー・ミュージックエンタテインメント コーポレート EVPの今野敏博氏が登壇。「音楽業界は時代のテクノロジと結びついた産業。CD、着うた、ダウンロードなど新しい聴き方を提唱してきた。2015年はストリーミング元年として、さまざまなサービスが立ち上がっているが、その中でもGoogle Play Musicはついに真打ち登場。新しい音楽の聴き方を皆さんにご提供できると期待している。この文化を日本に根付かせるべく一緒にやっていきたい」と期待を述べた。

 続いて、エイベックス・ミュージック・クリエイティブ 取締役 営業本部 本部長 兼 ビジネスアライアンス本部 本部長の佐藤朝昭氏は、「日本レコード協会によれば、音楽は聴くがお金を使っていない“無料聴衆層”の割合が日本人には34%いる。音楽サブスクリプションは、こういった人たちにいかにお金を使っていただけるようにするかが正否を分ける鍵だと思う。まだまだ日本人には馴染みがないが、グーグルのような影響力のあるプレイヤーの参入によって、こういったサービスが定着するひとつの原動力になると期待したい」と語った。

 ユニバーサル ミュージック 執行役員の島田和大氏は、「サブスクリプション型サービスは全世界ですごく伸びている。日本はモバイル最先端の国で、デジタルの成長の余力がものすごく残っている市場。このタイミングで、さまざまなサブスクリプションサービスが立ち上がることで、音楽市場だけでなくエンターテイメント市場全体が盛り上がるすばらしい環境になるのではないか。音楽を提供する我々、それをユーザーに届けるグーグル、両社で強力なタッグを組んで音楽市場を盛り上げたい」とした。

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