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空き部屋シェア「Airbnb」流の“おもてなし”--日本代表インタビュー - (page 2)

藤井涼 (編集部)2015年08月28日 13時00分
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――湘南T-SITEとともに「本に囲まれながら泊まるドリームナイト」などの企画も実施しています。こうした施設や自治体などと連携する事例も増えているのでしょうか。

 (湘南T-SITEの企画を実施した)CCCさんとは、新しいライフスタイルを提案するというところで、考えが一致しました。実は、これまでも何回か一緒にキャンペーンをさせていただいていて、去年の夏にも“家旅”というコンセプトでオンラインキャンペーンを展開しました。我々が新たに提案させていただいた旅のスタイルを簡単にご理解いただくために、「宿泊ではなく面白い体験ですよ」というメッセージは非常に伝わりやすいのかなと思っています。


抽選に当選した1組の家族が実際に湘南T-SITEに宿泊した

 そのほか期間限定のものもありますが、たとえば高野山の三宝院や壬生寺、石清水八幡宮などに泊まることもできます。お寺は昔から宿坊という考え方もありますので、もともといろいろな方を泊められていました。その中で、海外の方でも簡単に予約や宿泊ができるAirbnbの仕組みに共感いただきました。また、Airbnbのユーザーは地元の神様に興味を持っていらっしゃる方もいますので、そういう方に文化を知っていただけるという点にも賛同いただきました。

 グローバルでも、いろいろなところにユニークな体験ができる宿泊を提供させていただいています。ノルウェーのスキージャンプ台ですとか、ブラジルのリオデジャネイロのワールドカップで使われたスタジアムのフィールド上に泊まれるなんてものもありました。

――外国人を自宅に泊めることに抵抗がある日本人もいると思います。

 日本にはもともと民泊というものがありますし、ホームステイを受け入れている方もいますので、特別新しいことをやっているわけではありません。単純にITの技術を使って、より身近に簡単に、誰でも貸し借りできる環境を提供するサービスですので、日本では受け入れられないとは思っていません。

 もちろんすべての人に向いているわけではありませんが、潜在的なニーズは間違いなくあると思っています。ですので、こういう新しいサービスができましたよと、時間をかけてしっかり説明していく必要があるのですが、これは1社だけでは難しいところもあるので、できるだけ多くのパートナーと一緒に、この新しいライフスタイルを提案していければと思います。

 我々が貢献できるかもしれない領域としては、やはり地方創生ですね。日本は高齢化社会と言われていますが、60~70代はまだまだ元気ですし、実は一番良いおもてなしを提供できる方々だと思っています。アクティブシニアの方々に、我々のようなプラットフォームを使っていただいて、海外から来られる方に日本の文化を伝えてもらえればいいですね。

――日本では法規制の問題もあります。また、トラブルを避けるためにAirbnbを使用禁止にしているマンションなどもあります。

 基本的には、グローバルでも似たような状況になってます。非常に昔に作られた規制が、このような新しいビジネスモデルを想定していなかったというところがありますので、我々としましても、今の時代に合った視野が広がっていくような環境になればいいなと思っています。

 各国で行政の方にアドバイスをいただきながら協議させていただいているのですが、たとえばイギリス、フランス、アムステルダム、オーストラリアの一部の州などでは、すでに規制を改正して、Airbnbのようなシェアリングエコノミーサービスを利用できる環境が整いつつありますので、日本もできるだけ早くそうなるようにお話をしているところです。

 (マンションでの使用禁止などについては)我々としてシェアリングエコノミーという考え方をできるだけ多くの方に知っていただく必要があると思っていまして、そこはまだ説明が足りないと思います。引き続きいろいろな活動を通して、Airbnb以外にもさまざまなサービスが出てくることによって、日本で受け入れられやすい体制になるところまでもっていかなければいけません。

 実はAirbnbは、マーケティングなどをせずに190カ国以上に広まったサービスですので、そういう意味では、かなり伝播力のある方々に利用していただいています。その中で、我々が非常に大切にしているのがコミュニティです。特に日本には、非常におもてなし力の高い“スーパーホスト”という方が多く、そういう方たちが自主的に集まって、「地図を作ったほうが、分かりやすくお家まで来ていただけますよ」と、おもてなしの方法を話し合う勉強会みたいなものを開いたりしています。

 これは岡山の事例なのですが、Airbnbによって海外の方がよく来るようになって周辺の方も気付き始め、Airbnbの存在を知って交流が起きるようになったという話を聞きました。おじいちゃん、おばあちゃんも含めて、自主的に“おもてなし隊”というものを作るなど、自分の街をもっと知ってもらうために多くの方が一緒になっておもてなしを始めるといった事例も生まれています。また、グローバルでいうと、全世界から6000人以上のホストがパリに集まって、各国のホスト同士が情報交換できる場なども提供しています。

 こういったコミュニティによって、昔ながらのお隣さんに醤油を貸し借りするような関係が生まれています。たとえば、いまゲストが来ているんだけど、用事があって鍵が引渡しできないといった時に、近くのホストが代わりにやってあげるという、非常に温かいコミュニティもできています。そうしたことでサービスを少しずつ丁寧に大きくしていくというのが、我々の考えですね。

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