米航空宇宙局(NASA)は米国時間8月27日、3Dプリンタで作ったロケットエンジン部品の試験を成功させたと発表した。この成果は、ロケット開発時の試作や試験に3Dプリンタが活用可能なことを示しているという。
3Dプリンタで製作したのは、ロケットエンジンで燃料を供給するためのターボポンプ。内部のタービンが毎分9万回以上という速度で回転し、マイナス240度という極めて低温の液体水素を大量に供給する必要がある部品だ。さらに、燃料が3315度を超える高温で燃焼する過酷な環境にも耐えなければならない。
アラバマ州ハンツビルにあるNASAのマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)で繰り返された試験では、毎分1200ガロン(約4542リットル)もの液体水素を供給することに成功。これで、3万5000ポンド(約1万5876kg)の推力を持つロケットエンジンが実現可能という。
今回3Dプリンタで作ったターボポンプは、従来の溶接などで製造する場合に比べ、総部品点数が45%で済み、製造工程を簡素化できた。
NASAは、これまでに開発した3Dプリンタ製のロケットエンジン部品と組み合わせることで、開発作業が効率化し、リスクおよびコストを削減できると見込む。そして、ほとんどの部品を3Dプリンタで作ったロケットエンジンの可能性も見据えている。
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