楽天は8月20日、出前や宅配の注文サイト「楽天デリバリー」で、持ち帰り弁当などをスマートフォンで事前に予約して店頭で受け取れるサービス「楽天デリバリー テイクアウト」を開始した。当初は東京都23区内の約600店舗が対象。今後、東京都外も視野に入れて店舗数を増やしていく予定で、出前や宅配をしていない小規模店の参画も見込んでいる。
予約は専用のスマートフォンサイトで受け付ける。受け取りエリアに応じて対象店舗を検索し、利用店舗と商品を選ぶ。そして注文者情報を入力し、受け取り日時を選ぶことで注文が完了する。楽天会員IDは不要だが、同IDでログインすれば注文者情報を入力する手間が省ける。注文した商品は、多くの店舗が15~30分で用意できる状況だという。
決済はクレジットカード、楽天スーパーポイント支払い、受け取り時の現金支払いに対応。注文金額に応じて楽天スーパーポイントを付与する。クレジットカードは、注文が完了した時点で決済が完了したことになる。
現金支払いで注文をしたが商品を受け取らないユーザーがいた場合はどうするか。楽天デリバリー事業副事業長の中村雄氏は「そのようなユーザーがいないことを前提として店舗側とオペレーションを組んでいる。もし発生すればオペレーションを見直す」と説明した。
楽天デリバリーは楽天が基幹事業として取り組むECサービスの1つ。ピザやフライドチキン、寿司、中華料理、カレー、ハンバーガー、酒類、ケータリングなどを扱う全国の店舗7500件以上が参画している。ユーザーは、届け先として指定する場所に応じて、店舗と商品を選んで注文できる。
富士経済の調査によれば、テイクアウト市場は拡大傾向にあり、2015年度に6兆2000億円を超えると予測されている。中村氏は「楽天がテイクアウトを始めることで、ユーザーに新しい価値を提供できる」と自信を見せる。同社常務執行役員の高橋理人氏も「このテイクアウトサービスを通して、食事に関する新たな消費が拡大していくのでは」と期待を寄せた。
楽天は同日、コンビニやドラッグストア、楽天市場や楽天カフェの商品を注文から最短数十分で届けるサービス「楽びん!」を本格展開することも発表。また8月19日には、独自のAndroidアプリストア「楽天アプリ市場」を公開しており、既存領域と新領域で新たな取り組みを立て続けに始めている。
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