4月の首相官邸への落下事件以来、無人航空機(ドローン)を規制する動きが強まっている。政府は、飛行禁止区域や高度などを取り決め、夜間や目視できない状況での飛行を原則禁止とし、空港の周辺や家屋密集地でのドローン飛行に国土交通大臣の許可が必要となるよう、7月14日、航空法の改正案を閣議決定した。違反した場合には、最高で50万円の罰金が科せられるようになる。改正案は今国会での成立を目指している。
災害時の被災状況調査や消火活動、インフラの監視、警備や宅配など、さまざまな分野での活躍が見込まれるドローンだが、最近も各地で墜落、一時行方不明になったとされるニュースが相次いでおり、積極的な利用への不安は拭えない状況だ。
そうした流れの中、仏Parrotは、個人向けドローンシリーズの新製品を7月16日に日本で発表したばかり。税抜き1万3800円からの手頃な価格で、ホビーやレジャー用途とするドローンを9月にも発売する。このシリーズは発売開始の2010年以降、世界で累計150万台以上が売れているという。
ドローン規制を巡る日本の現状を、Parrotはどのように見ているのか。同社日本・アジア太平洋副社長のクリス・ロバーツ氏に聞いた。
――航空法の改正案が固まり、日本でのドローンに対する規制の動きが強まっている。ドローンのメーカーとして、どのように感じているか。
そういった動きを私たちは歓迎する。それは他国も同じ状況で、本当に普通のことだ。技術の発展は非常に早く、規制がまだついてきていない。「規制」が「技術の発展」をキャッチアップする必要があると思う。
そうなるまで私たちは、各地方当局と連携、協力して、消費者に教育、啓蒙活動をしたい。ドローンを飛行させる際の責任などについて知らしめなければならない。既存のガイドラインやルールはあるわけだから、それをもっと近代化させていくことが必要だ。
――首相官邸への落下や、各地での墜落事故などから、ドローンが飛行することに不安を感じている人も多そうだ。
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