米国では、他の電子書籍リーダーと同じく、各地の図書館から電子書籍を借りることもできる。また、Amazonが日、週、月単位で実施する特別セールでは、毎回、膨大な数の電子書籍がわずか2ドル(0.99ポンド、1.49豪ドル)で販売される。ただし、名前に聞き覚えがあるメジャーな作家の作品ばかりとは限らないので、過剰な期待は禁物だ。
Amazonが販売する電子書籍は「数百万」タイトルに及び、その中には同社が独占販売する書籍も80万タイトル含まれている。ディスカウントセールの頻度も、多くの競合ウェブ小売店より高い。そうした商慣行が競争上公正かどうか、さらには出版業界の長期的な繁栄にとって望ましいかどうかは、意見が分かれるところだが、消費者にとって、少なくとも短期的にありがたいことは間違いない。
Kindleでは、新聞や雑誌の品揃えも豊富だ。ただし、こうしたE Ink版は、同じタイトルのウェブサイト版やタブレット版(あるいは紙面)と比べて機能が少なく、文字だけの内容になることが多い点に注意しよう。また、別の購読契約が必要になる場合も多く、たとえばThe New York Timesの紙版または電子版をすでに購読中であっても、E Ink式Kindle版を購読する権利があるとは限らない(一方、新聞や雑誌のアプリの場合は、既存の購読契約だけでアプリを利用でき、追加料金がかからないことが多い)。
「Family Library」についても触れておくべきだろう。米国では、自分のKindle書籍を家族と共有できるだけでなく、配偶者やパートナーのAmazonアカウントを関連付けておけば、そこから書籍を共有することもできる。
一言で言えば、AmazonのエコシステムはBarnes & Noble、Apple、Koboなどの競合サービスを、依然として大きくリードしているということだ。
Amazonが新しい「HD」スクリーンを搭載する新型Paperwhiteをリリースすると聞いたときには、そうなったら誰も高価なVoyageを買わなくなるだろうと考えた。実際に2015年モデルのKindle Paperwhiteをしばらく使ってみた印象は、すでに優秀だった製品が「HD」スクリーンによって少しだけ良くなり、価値も高くなったという感じだ。だが、VoyageにはPaperwhiteに差を付ける利点がわずかながらある(いくぶん軽く、コントラストが若干高く、スクリーンはより明るく白い)。ほとんどのユーザーにとって、その利点に80ドル分の価値はないだろうが、Amazon最高の電子書籍リーダーを求めるなら、やはりVoyageを選ぶべきだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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