アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで、実際に利用可能なオフィスを3Dプリンタで建築するプロジェクトが始まった。建物そのものだけでなく、内部に置く椅子や机なども3Dプリンタで制作する計画。
このオフィスは、ドバイの博物館「Museum of the Future(未来博物館)」が中心となって作り、一時的に本部オフィスとして使用する予定。面積は約2000平方フィート(約186平方メートル、約56坪)。建築は、高さ20フィート(約61メートル)という巨大な3Dプリンタを使い、“印刷”した層をいくつも積み重ねて行う。
同プロジェクトのチームによると、3Dプリンタ建築は従来工法に比べ建築期間を5割から7割短縮でき、作業員にかかる費用を5割から8割減らせると見込む。さらに、建築にかかわる廃棄物の量も30%から60%少なくなり、生産性や投資効果、持続可能性の向上が期待できるとする。
アラブ首長国連邦の内閣担当相で、同国の国家イノベーション委員会の委員長でもあるMohammed Al Gergawi氏は、「このオフィスは3Dプリント技術の持つ効率性と創造性を証明し、建築・設計分野の改革に大きな役割を果たすだろう。UAEは、世界における技術革新と3Dプリントの中心となり、この成長機会を捉えたい」と述べた。
今回の建築プロジェクトには、Museum of the Futureと中国の3Dプリント技術企業WinSun Globalに加え、Gensler、Thornton Thomasetti、Syska Hennessyが参加している。
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