ラクスル、チラシの効果が分かるデータベース「チラシ改善ラボ」を年内に提供へ

 ネット印刷サービス「ラクスル」を運営するラクスルは6月30日、制作したチラシの効果が分かるデータベース「チラシ改善ラボ」構想を発表した。他の顧客と効果を比べられるようになり、チラシの改善に役立てられるとしている。すでにマイページで数百件のデータを回収しており、2015年内にベータ版をローンチする予定だ。

 ラクスルは、全国の印刷会社と提携してネットワーク化し、各社の非稼働時間を活用することで、低価格な印刷物を顧客に提供するサービス。受注した印刷物のサイズ、種類、納期に応じて最適な印刷会社に発注して印刷する仕組みを採用している。同社代表取締役の松本恭攝氏によれば、ユーザー数は6月時点で約15万人で、直近1年間で4倍に拡大しているという。顧客の9割が中小企業で、10人未満の会社が4割を占めるそうだ。


ラクスル代表取締役の松本恭攝氏

 全体の売上の約8割が集客のチラシやカタログであること、また人材不足などからデザインのノウハウがなかったり、販路の拡大に悩んでいたりする中小企業が多いことから、同社では3月に集客支援プラットフォーム「チラシラクスル」を発表した。クラウドソーシングを使って複数のデザインを募集し、評価の高いデザインをラクスルで印刷する。さらに印刷の折り込みチラシの配布までをワンストップで支援するサービスだ。

 ラクスルと言えば“ネット印刷”のイメージが強いため、現時点ではデザイン制作や配布などすべてのサービスをワンストップで利用する顧客は1割に満たないというが、サービス開始から4カ月で、集客支援関連商品(デザイン、新聞折り込み、ポスティング)の月次売上は2倍に成長しているという。

  • 「ラクスル」のサービスイメージ

  • ユーザー数は直近1年で4倍に拡大

  • 制作されたチラシの例

 そのほかの取り組みとして、5月には自分でデザインを作れるオンラインツール「デザインラクスル」を公開。また同月に、リクルートライフスタイルが提供するPOSレジアプリ「Airレジ」と連携して、小売店や飲食店向けに、Airマーケット上でラクスルの集客サービスの提供を開始した。さらに6月からは、ガッツ石松さんを起用した新たなテレビCMの放送を開始している。

より効果のあるチラシを作るために

  • チラシ改善セミナーを全国で開催

 チラシラクスルを通じて、自分でチラシをデザインできない、配るのが大変といった顧客の課題に応えたラクスル。その一方で、効果の出るデザインが分からない、どんなキャッチコピーをつければ良いか分からないといった新たな課題が生まれていたという。そこで、今回発表されたのが「全国チラシ改善プロジェクト」と「商店街活性化プロジェクト」だ。

  • 全国の商店街向けにサービス提供やセミナーを実施

 全国チラシ改善プロジェクトでは、既存のユーザー向けにチラシの改善点を伝え、集客の相談にのるセミナーを実施する。すでに東京、大阪、福岡、北海道の4カ所で開催しており好評だという。また、2015年内に新サービス「チラシ改善ラボ」を提供する。依頼主が配布したチラシの配布部数や集客効果を入力することで、データベースから他の顧客と比較した際の効果を把握できるようになり、より良いチラシの制作に役立てられるようになるとしている。

 商店街活性化プロジェクトでは、全国に1万以上ある商店街を活性化させるために、支援団体と協業するなどしてラクスルのサービスを提供したり、セミナーを開催したりする。直近では、7月中旬以降に東京の「かっぱ橋道具街」「荏原町商店街」「ハッピーロード大山商店街」などでチラシ活用セミナーや、集客支援をしていく予定だ。

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