およそ9カ月の準備期間を経て、Alibabaのオンライン金融サービスネットワークに新たなサービスが加わったことが明らかになった。Zhejiang Wangshang Bank(浙江網商銀行)の正式開業だ。
既存の銀行とは異なり、このオンライン銀行では現金の取り扱いも行わず、大手企業を顧客にすることもない。この銀行の主な対象は、中小企業や零細企業など、企業規模で下位80%に属する企業だ。また、中国の農村地域に暮らす人々などの層も対象とする。近年インターネットを盛んに使用するようになった層だ。こうした人々は、作物を育てるための新しい資材や機械を買うのに、ローンを組む必要がある。
報道によれば、300名からなるこの銀行の運営スタッフは、3分の2が科学技術の専門家であり、このチームを率いる管理職の中には、従来の銀行の管理職経験者だけでなく、ソフトウェア開発者もいるという。
この銀行の最高情報責任者(CIO)で、中国農業銀行のソフトウェア開発センター責任者を務めたこともある唐家才氏は次のように述べている。「当行の新しいプラットフォームとビッグデータテクノロジのおかげで、このオンライン銀行では、運営コストと顧客を獲得するためのコストが大幅に削減されるだろう。システムをクラウドにアップロードすれば、コストは劇的に減る。当行の業務が拡大するにつれて、金融クラウドのメリットはますます明らかになるだろう」
この銀行では、小規模企業や農家に融資するにあたって、顧客の資産や所得状況、キャッシュフローを審査するのではなく、家族の消費水準、企業サプライチェーンの状況、およびその他の商取引状況に基づいて、借り手の与信状況をデジタル的に「描き出す」という。
TMTpostが現地時間6月25日付けの記事で伝えているように、Zhejiang Wangshang Bankのストレージユニットは、1日あたり10エクサバイトのデータを処理している。
この銀行の副頭取を務める趙衛星氏は、「多くのデータがAnt Financial Services Group(螞蟻金融服務集団)からやって来る」と説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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