スマートフォン向けゲームのスコアを競い、賞金を提供する「モバイルeスポーツ」を標ぼうしたアプリ「ワンダーリーグ」が6月22日から配信を開始している。
e-Sports(eスポーツ)は「エレクトリック・スポーツ」の略称で、複数のプレイヤーで対戦されるコンピュータゲームを、競技として行うときの名称として用いられている。モバイルeスポーツはスマートフォンで行うeスポーツという位置づけとなる。
ワンダーリーグが興行主という立ち位置で、競技となるゲームと賞金を集め、プレイヤーに提供。プレイヤーはゲームに挑み優秀なスコアを出したならば賞金がもらえるというゲーム大会をイメージするとわかりやすい。それをスマホ上で展開するものだ。
ワンダーリーグではゲームを24時間ごとの日替わりで提供。その日ごとにスコアを競い合い、毎日1位と100位を獲得した2人に賞金5000円が贈られるというもの。採用されるゲームについてはパズルや脳トレなど、カジュアル層と呼ばれるユーザーでも楽しめるようなシンプルなルールかつ、スキルゲームと呼ばれるプレイヤーの技術的要素を重視したタイトルが中心となっている。
プレイ回数は1日5回までに制限。それ以上は課金すると追加プレイが可能になる。友だちの招待やSNSでの投稿によって無料で遊べる回数を増やす施策も用意されている。参加するプレイヤーの年齢は17歳以上に限られている。
毎日の賞金提供のみならず、特定ゲームタイトルにおいて一定期間内でトップスコアを出したプレイヤーには、そのゲーム会社から賞金10万円を付与するイベントも予定されている。
ワンダーリーグ代表取締役社長で初代チェアマンでもある北村勝利氏は、かつてアイフリークやバタフライに在籍しモバイル事業やゲーム事業に携わった起業家。ことバタフライでは、パチンコやパチスロの実機をシミュレーションアプリ「モバ7」を手がけヒットに導いた。
新たに立ち上げたワンダーリーグについては、ベンチャー企業として競争の激しいモバイルゲーム市場のなかでも、新しい市場が作り出せる可能性があること、そしてまだなじみの薄いeスポーツを広く浸透させると同時に、グローバル展開を視野に入れていると語った。
世界的に見るとeスポーツは広く浸透しており、人気タイトルとなれば世界大会が開催され、テレビなどで中継されることも珍しくなく、億単位の賞金総額が用意される事例も出ている。一方の日本では、主な競技種目とされているPCゲームの人口が少ないといった背景や、アーケードやコンシューマのゲーム大会自体は行われても得られるのは賞品と名誉といった状態が続いていた。もっとも近年ではPCゲームでも徐々にプレイヤーが増加しているほか、対戦格闘ゲームを中心にプロゲーマーとして活躍するプレイヤーの出現、スクウェア・エニックスやセガといった大手ゲームメーカー主催による賞金付き大会がアーケードゲームでも開催されるようになり、競技としてのゲームに注目が集まっている。
も現状でeスポーツに興味があるのはコアゲーム好きなユーザー層が中心。eスポーツで主流となっているMOBA(Multiplayer online battle arena)系ゲームは日本でなじみが薄いこともあり、ほかのタイトルもコアゲームユーザーが好む作り込んだタイトルがメインとなっている。まだまだ一般的ではないため、いかにコアユーザー以外の層に訴求していくかが課題だ。
こと日本のスマホゲーム市場は世界から見てもかなり大きいとされているものの、年々開発規模が大きくなり、ゲーム内イベントなどの運営も行って維持していく必要がある。コストも増大している上に競争も激しく、そこに入り込んでいくにはベンチャー企業として至難の業。一方カジュアルゲームと呼ばれる課金要素の薄い広告モデルのシンプルなゲームは、イベント運営といったところまでコストが捻出しにくい状況もある。
ワンダーリーグは、スマホゲームのユーザー層としては最大規模である「ゲームは暇つぶしで十分という一般ユーザー」のカジュアル層をターゲットに、独自のイベントとなる賞金の付与をモチベーションとして、新しい市場を作っていくという考え。言うならば、「カジュアルゲームのスマホ向け賞金イベントプラットフォーム」を作り出すのが狙いだ。
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