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Wearable Tech Expo 2015

いま世界で何が起きているのか--米VCのアニス・ウッザマン氏が語る4つのトレンド - (page 2)

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ロボティクス技術の進化が医療やライフスタイルを変革させる

 続いてウッザマン氏は、遠隔医療から個人のヘルスケアにいたるヘルスIT分野について、「シリコンバレーにおいて大きなトレンドになっている。ヘルスITはますます重要になっている」と説明する。

  • ヘルスIT分野は45億ドル市場にまで成長

 2014年における投資額も67億ドルと大きく増加している点や、2018年に45億ドル市場にまで成長する点、Appleの「Health Kit」やIBMの「Watson」などが個人の健康管理や医療情報の収集・活用において大きなプレイヤーとなっている点、タブレット端末で遠隔医療を支援する「Sense.ly」などスタートアップ企業の活躍も目覚ましい点などを挙げた。

 「遠隔医療は世界を大きく変える。アフリカ、アジアの途上国では十分な数の医師がいない。こういった環境において、ヘルスITは医療を大きく変える可能性を秘めている」(ウッザマン氏)。その上で、こうしたIoTにおけるヘルスITの進化にとって課題となるのは、収集・蓄積されるデータの相互互換性、そしてその個人データを守るセキュリティであると指摘した。

  • 医療情報の相互互換性、個人情報を保護するセキュリティが今後の課題

 このヘルスITにも関連して技術革新が期待されているのが、ロボティクス分野だ。ウッザマン氏は、世界初となる遠隔による外科手術を支援するロボティクス技術「da Vinci Surgical System」を開発したスタートアップ企業Intuitive Surgicalを紹介し、「執刀医が使うコンソールはアメリカのシカゴにあって、患者が乗る手術台はアフリカにあってもいい。シカゴにいる医者が遠隔でアフリカにいる患者を手術する。これまでは執刀医が途上国に出張しなければ高度な外科手術ができなかったが、それが不要になることで医療が大きく様変わりする。これこそが革命だ」と語った。

 ウッザマン氏はこのような技術革新の背景として、IT企業がこれまでにない分野に進出している現状を挙げた。「これまでは、資金を集めるためには銀行にお金を借りなければならなかった。しかし現在は、PayPalをはじめとするIT企業が資金を融資するようになってきた。ヘルスケア分野でも、これまでは病気にかかったら病院に行っていたが、最近ではGoogleがジョンソン・アンド・ジョンソンなどと提携して世界最大のビッグデータソリューションを開発し、世界一の遠隔外科手術ロボットを生み出そうとしている。こうした変化によって世界はどんどん変わっていくだろう」(ウッザマン氏)。

 ロボティクス分野は今後どのように変化していくのだろうか。ウッザマン氏は、ロボティクス市場は670億ドル規模にまで拡大すると予想した上で、「ロボティクス技術は今後、製造分野、ライフサイエンス分野、そして子どもやお年寄りのコンパニオンとなるロボットセラピーの分野で成長が見込まれるだろう」と説明。なかでも、家庭用のパーソナルロボットの分野は90億ドルと大きな市場になるだろうと語った。

  • ロボティクス分野は今後670億ドル市場に

  • パーソナルロボット「jibo」

 このパーソナルロボットについて、ウッザマン氏はマサチューセッツ工科大学が開発した世界初のファミリーロボット「Jibo」を例に挙げ、「ロボットがユーザーとのコミュニケーションからさまざまな情報や行動パターンを学習し、ユーザーとの簡単なコミュニケーションに応じて日常生活をサポートする世の中がついにやってくる」と期待を込めた。

世界のトレンドに、日本はどう追いつくべきか

 最後にウッザマン氏が語ったのが、ビッグデータ分野におけるトレンドだ。「ビッグデータ市場は大きな市場に成長した。中でもGoogleは、過去16年間で180の企業を買収し、世界最大のビッグデータ企業に成長している。Microsoftもビッグデータ企業を積極的に買収し、IBMも世界初となるビッグデータを人工知能によって解析するスーパーコンピューター『Watson』を開発し、多くのスタートアップ企業がこのビッグデータの潮流に参入している」とウッザマン氏は市場を取り巻く状況を説明。

 その上で、市場規模は2020年までに610億ドルにまで成長すると予想した。「ビッグデータ分野ではさまざまなカスタマーデータの分析技術が生み出され、その分析を通じて多くの製品が開発され、将来をより良くしていくことができるはずだ」(ウッザマン氏)。

  • ビッグデータ市場は2020年までに610億ドル規模に成長

  • 日本はパートナーシップによって世界のスピードに追いつくべき

 では、さまざまな分野において大手企業からスタートアップ企業までが大きな潮流を生み出している中で、日本企業はどうすれば良いのだろうか。ウッザマン氏は、パートナーシップを推進することが重要だと提言し、「パートナーシップによって、日本は世界のスピードに追いつくことができる。グローバルで活躍するコンサルタント、ベンチャーキャピタリスト、インキュベータ、アクセラレータなどと話をすることで、“いま世界で何が起きているのか”を知り、日本の企業が多くの分野で起きている革命にどのように参画できるのかを模索できるはずだ」と語った。

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