Mailアプリにも小規模な変更がある。スケジュール管理が容易になり、iOSのMailに少し近づいた。まず、イベントへの招待を受け取ると、ユーザーが何もしなくても、カレンダー上でそのイベントの時間が自動的に確保される。また、受信ボックス内をもっと素早くチェックできるように、2本指スワイプのジェスチャーで個々の電子メールを既読にしたり、ゴミ箱に移動させたりする機能も追加された。
「Photos」アプリは2015年に入ってOS Xのメインの写真管理ソフトウェアとなり、ついに「iPhoto」に取って代わった。Photosは2015年春に提供が開始されたばかりだが、El Capitanで、写真ファンが喜びそうな新機能がいくつか追加される。
編集用の拡張機能が新たにサポートされたことで、サードパーティーのフォトエディタのエフェクトをPhotosアプリに埋め込めるようになった。つまり、Photosアプリを離れることなく、お気に入りのアプリからフィルタや補正のオプションを追加できるようになるということだ。異なる拡張機能のエフェクトを組み合わせることも可能になる。また、画像の位置情報の編集、画像タイトルの一括変更や「Faces」機能の一括整理ができるため、写真の管理もこれまでより簡単になるだろう。
Appleの「Maps」にずっと欠けていた重要な機能は、公共交通機関の乗り換え案内だ。もちろん、誰もが自動車を持っているわけではないし、大都市で暮らす人にとって頭痛の種を回避する最高の手段は、公共交通機関という場合が多い。
El Capitanで、ついに公共交通機関の乗り換え案内が追加された。目的地を入力し、スクリーンの左側に配置された新しい「Transit」タブを選択すると、バス、電車、路面電車の地図がすぐに表示される。それぞれの交通手段のオプションが提示され、好きな交通機関を選んで目的地に行くことができる。しかし、筆者が特に気に入ったのは、電車の駅やバスの路線をクリックすると、その駅を通る路線を教えてくれる機能だ。また、その駅のすべての入り口と出口もわかるので、待ち合わせのときなどに便利だ。
乗り換え案内は、Mapsアプリに最初から搭載しておくべきだった機能だが、ようやく追加されたことをうれしく思う。AppleはMapsの利便性をさらに高めるために、いっそうの努力をしたようだ。
筆者が試用した初期バージョンには小さなバグがいくつかあり、一部には動作が安定しない機能もあったが、初期の開発者向けリリースにはよくあることだ。新機能の大半は、1回目に試したときに問題なく動作した。Appleによると、今もバックエンドの細部の開発作業に取り組んでいるため、一時的に機能を利用できなくなることもあるという。それでも、筆者はこのプレビュー記事の執筆に先だって、すべての機能をテストすることができたし、試した機能を気に入っている。
だが、どれも便利な新機能ではあるものの、その大半はYosemiteの既存機能を効率化するものだ。成熟したOSなので予想できたことだが、要するに、El CapitanによってMacの使い方が完全に変わってしまうとは考えない方がいい。そうではなく、各種機能が洗練され、さまざまな作業が容易になり、切望されていた機能(乗り換え案内など)が追加されるOSだ。
OS X El Capitanは2015年秋に無料でダウンロード提供される予定だ。特に画期的なものがあるわけではないが、有用な機能が追加され、すべてのMacユーザーに歓迎されるアップグレードになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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