ゲーム会社のユークスは6月10日、「ラブプラス」などを手がけたゲームクリエイターとして知られる内田明理氏が10月1日付けで入社することを発表。また入社にあわせて内田氏を中心とした部署「Uchida lab」(ウチダラボ)を設立し、開発に取り組むという。同日に会見を行った。
内田氏は長年コナミ(現在のコナミデジタルエンタテインメント)に在籍し、女性向け恋愛ゲーム「ときめきメモリアル Girl’s Side」シリーズやプロレスゲーム「ランブルローズ」シリーズなどに携わり、特に前述したラブプラスシリーズは大きな話題となった。その一方で2015年3月に同社を退社。その後の動向に注目が集まっていた。
会見にはユークス代表取締役社長の谷口行規氏ならびに、シニアクリエイティブディレクターの千早拓氏も同席。谷口氏によれば、内田氏との関係は2005年に格闘アクションゲームの開発を一緒に手がけたことが始まりであり、それが縁となって今回の内田氏入社につながったという。ユークスは格闘やプロレスといったジャンルのゲームを多くリリースしているが「社員がやりたいことを実現する環境をクリエイターに提供することが目的の会社。格闘やプロレスゲームといった枠にとらわれず、自由な発想で世の中に発信してほしい」と語った。千早氏は内田氏のことを「完成形のビジョンをちゃんと持っている人。そして一緒に仕事をして楽しい人」とした。またこれからについては「くだらないものを真剣に作りたいと、よく話していた。新しく生み出されたものが世間をどれだけ驚かせるか、私自身も楽しみ」と期待を寄せた。
内田氏はコナミ退社以降、ゲーム、しいてはデジタルコンテンツとしてのエンターテイメントに関する構想を練っていたとし、フリーの立場で展開していくことも考えていたが、さまざまな話をしていくなかでユークス側から「ここまで自由にやっていいと言っていただいていいのか、というぐらい懐深く迎えていただいた」(内田氏)と、裁量権が十分にあることから入社を決めたという。
ゲームジャンルにはとらわれず、さらにはゲームの枠を飛び出してしまうようなコンテンツも検討。バーチャルとリアルな体験をミックスさせていくコンテンツは自身のテーマだとし、そういった実験も試みたいという。こうした実験的かつマネタイズできるかも分からないことを、スピーディーに実行していける会社はそうないと感謝の思いを語った。現状では具体的な取り組みについて言及することはなかったが「年内にはなんらかの報告ができれば」とした。
質疑応答のなかでは、内田氏がこれまで携わったシリーズタイトルの今後についての質問もあった。この件については「IP(知的財産)を保有している立場にはないため、私からは勝手なことは言えない」としながらも、開発の打診や依頼があった場合には「ウェルカム。お話をいただけるのであれば喜んでやりたい」と前向きな姿勢を示した。私見と前置きしながらも「IPとクリエイターのコラボやマッチングは、メーカーやパブリッシャーの枠を超えていい形で行われるべきだと考えている」とした。
内田氏は「まとまったコンテンツが用意されて、それに没頭していく時代ではないのかもしれないが、遊んだら楽しい経験として残っていくもの、10年20年先に思い出して遊びたくなるものを生み出したい」と抱負を語った。
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