人でも物でも組織でも、「強い」ことは生き残っていく上で重要な性質だが、ではその「強さ」とは一体どのようなものなのか。強そうに見えても、何か衝撃を受けたときに、立ち直れない状態にまで打ちのめされてしまうのでは、強いとは言えない。昔からよく言われる「葦」のようなしなやかな強さこそ、変化の激しい現代で必要とされる強さのようだ。
「レジリエンス」とは、「折れない心」と単純に解釈されることが多いようだが「ダメージから回復する力」のことを指し、必ずしも人の心のことのみを指すわけではないと本書では指摘している。そして組織や地域、ひいては社会全体でレジリエンスを高めることが重要だと説く。そのための取り組みを、環境、生態系、心理学、教育、子育て、地域や自治体など多岐にわたって紹介している。
決してひとつの側面のみから語ることのできることではない。個人、人と人、地域、自治体、都市、国と、ミクロからマクロに視点と考え方を広げていき、さらには、過去から未来を見据えてレジリエンスを強化することが、いかに社会にとって重要かが分かる。本書では、仕事のありかたにも影響を及ぼすようなことが、すでに起きている現状を知り、柔軟に対応できるようになるためのヒントを得られる。
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