10年前にウェブに登場した手芸品マーケットプレイスのEtsyは近く、これまでで最大の難題に直面するかもしれない。
Amazon.comが、Etsyのセラー(出品者)をオンラインフォームに誘導し、調査を行っているという。このフォームの冒頭には、「Handmade at Amazonに関心を持ってくださりありがとうございます」と書かれている。Etsyのセラーは自身のビジネスや販売しているアイテム(ジュエリー、食品、おもちゃ、ゲームなど)に関する情報をフォームに記入するよう求められ、Amazonは「ショップ開設の準備をする間」、回答者に最新の情報を提供するとしている。
Etsyのセラーらが先週末、Amazonからの問い合わせについて、Etsyのオンラインフォーラムにメモを投稿し始めており、The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間5月22日夜、これを報じた。
米CNETはAmazonとEtsyにコメントを求めたが、両社ともコメントを控えた。
ブルックリンに拠点を置くEtsyは、美術品や手芸品のバイヤー(買い手)とセラーをつなぎ、出品料とアイテムの販売手数料から売り上げを得ることで、ビジネスを構築してきた。Amazonがハンドメイド製品のマーケットプレイスを開設するかもしれないというニュースは、Etsyが財政面で新たな曲面を迎える中で報じられた。Etsyは4月、NASDAQ証券取引所に株式を上場した。
Etsyの報告によると、2015年第1四半期(3月31日締め)終了時点で、同マーケットプレイスのアクティブセラー数は140万人(前年同期比26%増)、アクティブバイヤー数は2080万人(同37%増)だったという。同四半期の売上高は5850万ドル、流通総額は約5億3200万ドルで、それぞれ前年同期比で44%増、28%増だった。
ウォール街の企業であるWedbush Securitiesは先週、「AmazonやeBay、Alibabaといった大手Eコマース企業はEtsyの顧客の大半とEtsyのセラーの多くを既に手に入れているため」Etsyを買収したいと考える可能性は低いと評した。むしろ、「特にこの(ニッチ)市場に対応したいと考えるのであれば、それらの大手企業は手芸品部門を分離して、既存のバイヤーとセラーをそこに集めるだけでいいのではないか」とWedbushは投資家に宛てたメモの中で述べた。
しかし、WSJが指摘したように、Etsyがセラーから徴収する手数料はAmazonに比べてかなり安い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」