米CNETが入手した情報によると、MozillaはモバイルOS「Firefox OS」の戦略を見直したという。25ドルという超低価格のモバイルデバイスでは、スマートフォン業界の大手各社と十分に戦えないとの結論に至ったことが理由のようだ。
非営利団体のMozillaは、10年ほど前にウェブブラウザ「Firefox」の成功によって一躍有名になったが、スマートフォン向けFirefox OSでは同様の成功を収めるのに苦戦している。Mozillaで最高経営責任者(CEO)を務めるChris Beard氏が米国時間5月21日に送信した電子メールによると、Mozillaは、低価格というだけでなく魅力的な機能を備えたスマートフォンに重点を置く「Ignite」と呼ばれる新たな取り組みに向け、戦略を変更しているという。Mozillaはまた、最大のライバルであるGoogleの「Android」向けに開発されたアプリをFirefox OSで動作させることも検討している。
Beard氏は、Mozillaのプロジェクトに関わる広範なコミュニティーのメンバーに宛てたメールの中で、次のように述べている。「われわれは、人々が価格だけでなく体験を目当てに購入したくなるスマートフォンやコネクテッドデバイスを開発していく。25ドルのスマートフォンは十分な勢いを得ておらず、われわれはそのプログラムに含まれるすべての要素を追求するつもりはない」
この戦略転換は、Mozillaが新しい時代に適応することの難しさを示している。現在は、スマートフォンが人々のデジタルライフの中心的存在であり、コンピューティング業界の注目の的でもある。同時にMozillaにとってオープン性という原則は、少なくとも売り上げや市場シェアと同じくらい重要だ。Firefox OSは、たとえ改良されても多くの人が次に買うスマートフォンのOSにはならないかもしれないが、MozillaはこのOSがデバイスの可能性に影響を及ぼすことを期待している。しかし、自らの思想をモバイル世界に広めたいのであれば、Mozillaは適応しなければならない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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