知的財産侵害をめぐってサムスンとの間で大規模な訴訟を繰り広げ、2013年に9億3000万ドルの損害賠償を勝ち取ったAppleだが、その全額を手に入れることはできないかもしれない。
Appleは2011年、同社の携帯端末の設計に関する複数の知的財産を侵害しているとしてサムスンを提訴した。2012年にはAppleに有利な判決が下り、陪審員団は同社に対し、10億5000万ドルの損害賠償を認めた。米連邦地方裁判所のLucy Koh判事は2013年3月、その賠償額を4億5050万ドル減額したが、11月には陪審員団が、2億9050万ドルの損害賠償を追加で認め、結局、賠償総額は約9億3000万ドルとなっていた。
サムスンはこの裁定に不服を申し立てており、米連邦巡回区控訴裁判所は米国時間5月18日、判決を下したとReutersが報じた。控訴裁判所は、判決のうち、製品のパッケージや外観を指す法律用語であるトレードドレスをめぐる部分について棄却した。
その結果、侵害に対する3億8200万ドルの損害賠償について、下級裁判所で再度審議する必要が生じた。下級裁判所が、本件に関するサムスンの主張を認めた場合、サムスンのAppleに対する損害賠償額は5億4800万ドルにまで減額される。
AppleInsiderが取り上げたScribdの投稿に記されているとおり、控訴裁判所の判決には、判決理由の説明と、トレードドレスに違反する項目のリストが記されている。トレードドレスに違反する項目としては、四隅が均等に丸みを帯びた長方形の形状、製品の前面を覆うフラットでクリアな表面、そのクリアな表面の下のディスプレイ画面などが挙げられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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